長野県中野市で警察官や住民女性ら4人が殺害された事件。
逮捕された農業青木政憲容疑者(31)=同市江部=は「撃ったことは間違いない」と容疑を認めている。
「被害者の女性に悪口を言われたと思って殺した。射殺されると思ったので警察官も殺した」という趣旨の供述をしているという。
亡くなった女性2人はともに近所に住む村上幸枝さん(66)と竹内靖子さん(70)で、散歩仲間だった。
村上さんが襲われるのを見た人が「男が刃渡り約30センチのサバイバルナイフで女性を刺した」と110番。
竹内さんは容疑者宅近くで倒れていた。
2人の遺体にはいずれも刺し傷があり、立て続けに刃物で襲われたとみられる。
捜査本部によると、青木容疑者は県公安委員会から散弾銃や空気銃など猟銃計4丁の所持許可を得ていた。
全て本人名義で2015年以降に取得、更新していた。
一つの事件で警察官2人が殉職する事態は過去30年以上なかった。
1990年11月、沖縄市で暴力団抗争の警戒中だった警察官2人が組員と間違えられて拳銃で射殺された事件以来とみられる。
89年5月には、東京都練馬区の派出所(交番)で警察官2人が元自衛官に刺殺される事件もあった。
近年にない複数の警察官が殉職する事件を受け、警察幹部からは「極めて重大な事案で、何らかの教訓を導く必要がある」という声が上がる一方、
「今回の被害を防ぐのは難しかった」という見方も出ている。
事件の一報は「男が女性を刺した」という通報だった。中野署は刃物使用事案と判断。
現場に駆けつけ、殺害された警察官2人は防弾チョッキを身に着けていなかった。
また目撃者らによると、2人は現場到着直後にパトカーの窓ガラス越しに銃撃されたとみられ、防護は困難だったとみられる。
ある警察幹部は「銃使用の情報がない時でも常に重い防弾チョッキを着て出動することや、
パトカーの窓を全て防弾ガラスにするのは現実的ではない。これまでもやっていることだが、
銃使用の可能性がある時は装備をしっかり持っていくことしか対策はないかもしれない」と話した。
警察庁は交番襲撃事件が相次いだ2018年、耐刃防護衣の常時着用などを求める通達を全国の警察に出していた。
谷公一・国家公安委員長は26日の閣議後記者会見で、
「今回の事件を受けた安全確保策については、捜査の結果を踏まえて適切に対応するよう警察を指導したい」と述べた。
‘@以前にも指摘したが、人が人を刺すと言うことは基本狂気でしかないのだから、
これからも日本は米国などと同様にそれなりの対策装備をしてことに当たらなければならない。
白昼堂々の強盗も増加している。
結果、2018年の教訓が生かされていないことになる。
少なくとも耐刃防護衣の着用はすべきだし、防弾チョッキも持参、着用すべきだ。
仮に容疑者が刃物だけを所持していても、民間人を人質にとる可能性もある。
また、警官が発砲すると大きな問題となるが、この頃は市民の理解も高まっている。
慎重且つ柔軟な対応が求められる。
逸早く駆けつけて事に当たろうとした警察官が殉職するという痛ましい結果は無念の極みだ。
出来ない難しいではなく改善しなければならない。
そうでなければまた同じことが起き、2人の死が無駄になる。
(合掌)