アップルは5日「Vision Pro」と呼ばれる待望のMRヘッドセット「Apple Vision Pro」を発表。
同社が新たな製品カテゴリに乗り出すのは、2015年のApple Watch以来で初めてとなる。
カメラとセンサーを満載したこのデバイスは、未来的なスキーゴーグルのような外観で、装着者をVRに没入させるだけでなく、
拡張現実(AR)で現実世界の要素に溶け込ませることができる。
アップルのティム・クックCEOは、カリフォルニア州クパチーノにあるアップルパーク本社で開催された開発者会議WWDCの会場でこの新製品を発表。
「この日のために何年も準備を進めてきた」と、クックCEOは発表の中で語った。
ヘッドセットを装着すると、目の前にアプリのアイコンが並ぶフィールドが表示され、ユーザーはその世界に没入し、
アイコンタクトとハンドジェスチャーでアプリを操作し、画面をスクロールすることができる。
しかし、周囲から完全に切り離されるのではなく、部屋に別の人がいる場合は、自分の目を見てもらいながら、その相手と会話を行える。
このヘッドセットは、何年も前から開発が進められてきたものだ。ほかの大手テック企業がAR/VR市場にどんどんと参入していくなか、
アップルはアップルらしく、その動向を静かにうかがっていた。
しかし今回、「Vision Pro」が発表されたことで、AR/VR市場は大きな転換点を迎えるだろう。
アップルが新たな製品カテゴリーに参入するときはいつも、そのカテゴリーのあり方を定義づけると同時に、
他社を置き去りにしていくからだ(WIRED US/Translation by Ryota Susaki and Mamiko Nakano)との見解もある
アップルのCEOティム・クックは事前録画された映像のなかで、
iPhoneがモバイルコンピューティングを浸透させたように、「Vision Proは空間コンピューティング技術を世の中に紹介することになるでしょう」と付け加えた。
Apple Vision Proは3499ドルから、「来年の早い時期」より購入可能になるとのことだ。
アップル初のMRヘッドセットは発表前からかなりの注目を集めていたが、Appleの株価は発表後に下落。
株価は基調講演の開始時点(午前10時ごろ)に184.56ドルだったが、Vision Proの価格を発表した正午過ぎには、
一時178.15ドルまで低下。その後も178~179円台で推移。
Apple Vision Proは3499ドルで2024年の早期に提供予定。
日本での価格は未発表だが、6日(日本時間)時点のレートで換算すると49万円くらいになる。
Twitterなどでは、すでに「価格のことは考えたくない」「円高になってほしい」といった声も見られる。
‘@市場は歓迎していないようだ。