安倍総理は25日夕の記者会見で、新型コロナウイルスについて、
「日本ならではのやり方で、わずか1カ月半で流行をほぼ収束させることができた。
日本モデルの力を示した」と述べた。
日本モデルとは、武漢縛りに拘り、中国からの人の流入を抑えず、
世界中からの来訪者を制限するのも遅れた。
本年のオリンピック開催を念頭に、新型コロナに対する対策を緩やかなものとし、
PCR検査を控え、医療用マスクや防護服などを調達せず、医療関係者は疲弊。
そして、新型コロナ感染がピークを打った後に「緊急事態宣言」を発した安倍総理。
補償もなく、ひたすら国民に自粛を要請。
会見で、安倍総理自ら1カ月半で収束と述べた。
新型コロナが日本で発生してから4か月近くが経っている。
少なくとも2か月間は何もしなかったことを自ら認めたのだ。
そして、新型コロナはいまだ収束はしていない、収束などしていないのだ。
いまだ届かないアベノマスクに、いまだ届かない申請書、
本当は出したくなかった特別定額給付金10万円の申請書。
新型コロナ感染で、欧米とアジアとの死亡者数には100倍の差がある。
アジア諸国だけで人口10万人当たりの死亡者数を比べると、
1位はフィリピンで2位は日本。
欧米諸国と比べて、死亡者数が少ないというだけで、
日本の新型コロナ対策が成功したという安倍総理の発言には疑義がある。
日本はアジアで最も多くの死亡者が発生した国の一つなのだ。
最も死亡者が少ない国台湾の感染者数は440人で死亡者数はわずかに7人。
5月24日時点の日本の感染者数は16628人、死亡者数は851人。
台湾の人口は2370万人、日本の人口は1億2650万人。
致死率は5.1%。
日本の季節性インフルエンザの致死率は、0.05%程度なので、その約100倍の致死率となる。
日本は,欧米と比較して死亡者数が少ないことは事実である。
しかし,それは日本政府の何もしない対策が功をなしたのか?
アベノマスクが功をなしたのか?
医療従事者の頑張りが功をなしたのか。
国民の自粛意識が功をなしたのか。
アジア諸国の感染者数や死亡者数は欧米に比べて圧倒的に少なく、
その中で最大級の被害を受けているのが日本。
今,第2波の襲来が世界の重要課題だが、日本も例外ではない。
日本の第2波対策は,世界の被害状況を詳しく分析して、慎重かつ大胆に準備する必要がある。
特に今季は、インフルエンザと新型コロナの同時流行にも備える必要がある。