米防衛ニュースサイトのブレーキング・ディフェンスによると、クリスマスとその翌日にGPSの電波妨害が急増し、
ポーランド北部とスウェーデン南部の広範囲に影響が及んだ。
大晦日には、フィンランド南東部の上空を飛行していた航空機が妨害を報告。
1月末にかけては、スウェーデン南部、ポーランド北部、エストニア、ラトビアが影響を受けた。
米テキサス大学無線航法研究所(UTRL)による電波妨害とスプーフィングの分析では、
地球低軌道の衛星を使って特定されたイラン・テヘラン近郊のスプーフィング発信源とほぼ同じ方法を用いている発信源が検出された。
UTRLの大学院生ザック・クレメンツは、非営利団体レジリエント・ナビゲーション・アンド・タイミング・ファウンデーション代表のダナ・ゴワードに、UTRLの研究者はロシアがスプーフィングの発信源であると確信していると語った。
ゴワードは、意図的なGPS妨害は国際法と国連の国際電気通信連合(ITU)の加盟国が合意している規則に違反していると指摘。
「グレーゾーン」の戦術かもしれないが、GPSの電波妨害は戦争に等しいとゴワードは主張。
ロシアのGPSスプーフィングへの対抗措置として、衛星の新しい周波数割り当てを拒否することが考えられるとゴワードは提案する。
新しい周波数はITUによって付与されたものであり、割り当てないことによりロシアは経済的、そして戦略的に大きな影響を受ける可能性がある。
ここ1カ月ほどの間に、北欧やバルト海沿岸諸国を標的としたロシアのGPSの電波妨害やスプーフィングが6件以上発生している。