米国カリフォルニア州のラホヤ免疫学研究所が、
新型コロナウイルス流行前(2015年から2018年)に採取した健康な人の血液を調べたところ、
半数の人の血液から新型コロナウイルスを退治できる「T細胞」が検出された。
(6月19日付日経バイオテク)。
感染症にかかったときには、いろいろな免疫細胞が病原体と戦ってくれる。
その免疫反応の司令塔の役割をしているのが、T細胞。
ひとつひとつのT細胞は、ごく限られた相手しか攻撃できないが、
体内には膨大な数のT細胞があり、全体としてはどんな病原体でも対応できる。
半数の人のT細胞は、新型コロナウイルスが体内に侵入すると、
過去に感染した風邪のコロナウイルスに感染した経験を生かして、
新型コロナウイルスを認識し、攻撃するという。
スイス・チューリッヒの大学病院でも、新型コロナウイルスから回復した人のうち、
約2割の人にしか抗体がつくられておらず、残り8割は既存の免疫機構で、
新型コロナウイルスを退治したことが明らかになっている。