抗原検査、簡易迅速も精度低く。
横浜市で、新型コロナ感染で、抗原検査でいったん陽性者として発表されたものの、
その後、訂正される事例が相次いでおり、全国的にも散見されている。
簡易で迅速な一方、精度が低いという抗原検査の弱点が浮き彫りになった形で、
横浜市の船山和志・健康安全医務監は「検査結果だけで判断せず、症状や行動記録なども含めて、
総合的に診断してほしい」と呼び掛けている。
市では、８月２３日から１０月１日にかけて、計約１３７０人の感染を発表。
そのうち、計７人の発生届が後日、医療機関から取り下げられた。
１人は検査結果の誤認によるものだったが、６人は抗原検査で陽性とされたものの、
その後のＰＣＲ検査の結果などを踏まえ、疑いが低いとされた。
抗原検査はＰＣＲ検査よりも低く、厚労省の手引きでは、
無症状者への使用やスクリーニング検査には適さないとされる。
（林文子横浜市長、この頃顔を見ない）
それにもかかわらず横浜市内の一部の医療機関では、症状を問わず新規の入院患者全員に抗原検査を実施しているといい、
実際、発生届が取り下げられた６人のうち３人は、入院時のスクリーニング検査によるものだった。
ほとんどが陽性者と分からず入院してきた患者に端を発している。
船山医務監は「他に頼る手段がないからではないか」と述べ、
早期に陽性者を判別して感染拡大を防ぎたい医療機関の思惑を推し量る。
しかし、いったん「陽性」となれば濃厚接触者の調査などで患者本人だけでなく、
周辺者や施設などへの負担が重くのしかかる。
さらにそれが「偽陽性」と判明すれば、徒労に終わる。
船山医務監は「検査に偽陽性はつきもの。無症状やコロナと関係なさそうな症状を訴える患者が、
抗原検査で陽性となった場合は、一時隔離して経過を見るなど、慎重に判断してほしい」と話した。
