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立憲、福山議員の尾身副座長への質疑はそんなに悪いのか。

新型コロナウイルスについて、参議院予算委員会で、

立憲民主党福山哲郎議員が、政府の専門家会議の尾身茂副座長への質疑が炎上。

Twitterでは、「専門家に話を聞く態度ではない」と批判のツイートが相次ぎ、

ハッシュタグ「#福山哲郎議員に抗議します」は、一時、トレンド1位になった。

BuzzFeed Japan Medicalは、ウイルス学、免疫学を専門とする医師、峰宗太郎氏の協力を得て、

福山議員の質疑内容を検証した。

その記事の内容を検証する。

 

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福山議員が求めた「実際の感染者数」は全世界、どこでもつかみようがない。

福山議員が提案した「無症状者・軽症者」も含めてのPCR検査は本当に必要なのか。

などと、福山バッシングが横行。

しかし、福山議員は尾身副座長に実際の感染者数など求めていない。

「尾身先生、無症状あるいは軽症の感染者は、結果として陽性者の10倍、

つまりいま、日本全体で症状が出ている人も無症状軽症の人も含めて10万人程度いる

という認識ですか? どうですか?」と、尾身氏の見解を問いただした。

これに対して、尾身副座長は、「10倍ということについて『おっしゃる通り』と言ったわけではない」

とした上で、

「10倍か15倍か20倍かというのは今の段階では誰にもわかりません」

「報告された感染者が全てを捕捉しているわけではないというのはおっしゃる通りというのは、

この感染症の特徴からして、そういうことだと申し上げました」と回答。

尾身氏は5月4日の専門家会議の会見で、

PCRをやっていなから、無症状あるいは軽症の人を見落として、

実際は、10倍とおっしゃいましたかね? 仰る通りです。

当初から、無症状や軽症者が多くて、そういう人を我々の今のシステムでは

探知できないのは仰る通りです」と述べている。

福山議員は、厚生労働省クラスター班の西浦博・北海道大学教授も、

実態は10倍以上いるかもしれないと会見で述べたことに触れた上で、

「日本の場合には残念ながら軽症の方や無症状は、

相談者・接触者外来で弾かれてほとんど検査されていません。

でも世界中はこの感染者の数には軽症者・無症状者の方が含まれています。

なぜならこの人たちが感染を広げるからです」との認識を示した。

そもそも、福山議員が求めたように「実際の感染者数」は調べられるものなのだろうか?

と、BuzzFeed Japanは疑問を呈した。

峰氏は「検査というものはまず原理的にも完璧なものではありません。

どのような検査でも偽陰性偽陽性の問題はありますので、『検査万能論』はいつでも誤りです」

(略)福山議員は検査が万能などとは言っておらず、実際の感染者数も求めていない。

福山議員も確かに、今の感染者数より10倍という数字にこだわってはいるが、

「10倍程度いるという認識でいいのか」と問うてるだけだ。

少なくとも専門家会議の副座長である尾身氏に対して、

「いまよりも多いと思う」というあいまいな表現で、どれくらい感染者がいるかどうかわからない。

街中を出歩いて感染拡大させているのか、院内感染の原因となっているのではないか。

無症状者や軽症者の実態を補足しないで対策が打てるのかと問いかけたのだ。

福山議員はさらに、院内感染の原因ともなっている無症状や軽症者を補足しないで、

次の対策が打てるのかと問いかけた上で、「10倍いる可能性も否定もできないし、

肯定もできないのですね」と質問した。

答弁に立った尾身副座長に安倍総理が声をかけたことに対し、

「なぜ指導しているんですか!」と疑義を呈し、一時、速記が中断される事態となった。

相変わらず、安倍総理が横やりを入れたので、福山議員がたしなめた。

安倍総理の悪癖が出たのだ。規約違反

尾身副座長は「大切なポイントを指摘していると思います」と答弁をはじめ、

東京都の陽性率が7%であったことから説明し始めると、

福山議員は「ちょっと短くしてくださいよ」と口を挟んだ。

尾身副座長は「わかりました」と続け、この東京都の7%という検査陽性率は、

と同じ内容を述べ始めた。

尾身氏の答弁が終わると、福山議員は、

「10倍いる可能性も否定もできないし、肯定もできないのですね」と質問したのに、

尾身氏は直接それについて回答しないで、長々と述べたので、

「全く答えていただけませんでした。残念です」と返した。

その前に議長からも簡潔に述べるよう指摘されていた。

安倍総理から、ダラダラ述べるよう(時間稼ぎと論点のすり替え)アドバイスを受けていたのかもしれない。

 

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峰氏は「全数が把握できていないことで責めるのは、的外れで勉強不足で、

理解ができていないように思います。」と福山議員を責めた。

しかし、福山議員は全体数が把握できていないことで尾身氏を責めたりはしていない。

峰氏は「無症状や軽症の方であれば、だれを検査するかを決めることができません」

「無駄に検査に医療資源を割くのはよくない」

「無症状の人や軽症者を把握できていないのは(日本よりも)欧米各国である可能性が高いでしょう」

「日本でのPCR検査数も決して少なくない」と強調。

これは尾身氏の発言を否定することとなる。

尾身氏は5月4日の会見で「日本のPCR検査数は諸外国に比べ非常に少なく不十分」と述べている。

医療関係者や感染症の専門家も、「検査を広げれば医療崩壊する」と発信していた。

今更「不十分」と言われても、多くの人がイスから転げ落ち耳を疑った。

「必要な人が受けられるようにするべきだと専門家はみんな思っている。

今のままでは不十分。早い時期から議論したがなかなか進まなかった。

これにはフラストレーションがあった」などと尾身氏は言及した。

風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日日以上続く場合と同じだ。

尾身氏も質疑対応にも慣れているし、福山議員を責める内容ではない。

むしろ、ここぞとばかりにフェイクで福山議員を責める行為が正当化される方が怖ろしい。