和歌山県田辺市で2018年、資産家として知られる、
会社経営野崎幸助氏=当時(77)=が死亡した事件で、
県警は28日、殺人容疑で須藤早貴元妻(25)を逮捕した。
野崎氏は18年5月、自宅で死亡しているのが見つかった。
発見者は元妻で、行政解剖で体内から致死量を超える覚せい剤が検出され、
県警捜査1課は何者かに摂取させられた可能性があるとみて捜査していた。
須藤容疑者は平成30年5月に和歌山県田辺市の自宅で、当時夫だった会社社長の野崎氏を、
急性覚醒剤中毒にさせて殺害したとして殺人の疑いが持たれている。
警察は野崎氏が自分で覚醒剤を使った痕跡がないことから、
何者かに覚醒剤を摂取させられて殺害されたとみて捜査を進めていた。
その結果、野崎さんが覚醒剤を摂取させられたとみられる時間帯には須藤容疑者しか自宅にいなかったことや、
事件前にインターネットで覚醒剤について調べていたことなどがわかったという。
28日朝、現在、居住している東京のマンションに捜査員を派遣して逮捕した。
警察は28日中に須藤容疑者を和歌山県の田辺警察署に移送して取り調べを進めるとしている。
野崎氏は、平成28年に出版した自伝で、“美女4000人に30億円を貢いだ男”として、
次々と女性を誘惑するスペインの伝説上の人物、「ドン・フアン」にみずからを重ね合わせ、
「紀州のドン・ファン」と称して注目を集めた。
著書によると、野崎氏は和歌山県田辺市で生まれ、中学卒業後、
鉄くず拾いや訪問販売から商売を始めて金融業や不動産業へと手を広げ、
億単位の資産を築くまでになったとしている。
派手な暮らしで自宅には数億円もする著名な画家の絵画を飾ったり、服装も全身高級ブランドで着飾っていた。