グローリー子会社社員21億円横領。
貨幣処理機大手のグローリー(兵庫県姫路市)は14日、
コインロッカー保守の子会社グローリーサービス(大阪市)の元経理担当社員が、
総額約21億5500万円を横領していたと発表。
会社の資金を個人の銀行口座に移し替えるなどの手口で、
2009年から今年2月までの約13年間不正を続け、競馬や飲食に使っていた。
競馬の馬券購入に約17億6400万円、日常的な飲食代や遊興費に約3億9200万円を使ったとされる。
同社は、3月11日付で元社員を懲戒解雇し、横領容疑で警察に告訴する。
元社員は05年に中途入社。総務課で経理の実務を1人で担っていた。
発覚を防ぐため、口座の残高証明書の数字を切り貼りして偽造したほか、
帳簿を改ざんして上司に報告していた。
上司は、書類を確かめるだけで、ネットで残高確認などはしていなかったという。
横領額が一気に増えたのは20年以降。
グローリーは同年5月、親会社の決裁が必要な銀行借り入れをしなくても、
4.5億円を限度に、いつでも親会社からの資金融通が可能になった。
同年7月には、コロナ禍での業績不振を見かねた親会社が4.5億円の枠とは別に、
必要額を貸し付ける特例措置を導入。
コロナが理由ならほぼ無制限に入金されたとみられ、
特例での貸付総額は同月末の1.5億円から、発覚した今年2月には12億円に達し、
大半が元社員の口座に送金されていたようだ。
特例での貸付総額は同月末の1.5億円から、発覚した今年2月には12億円に達し、
大半が元社員の口座に送金されていたようだ。
グローリーは22年3月期連結決算で、この件に関して純利益が約9億円減少する見込み。
過去の決算書類も訂正するという。
‘@紙幣を監視し、さばくのは得意だが、社内を監視し、さばくのは苦手だった。
なんともお粗末な、いまもこういう不正が簡単に行えることに驚きだ。
見逃した上司を含め会社の責任は重大だ。
それにしても21億円とは相当楽しんだだろう。