ロシアの助けを借りる安全保障モデルは持続不可能。
脱ロシアを表明したパシニャン首相は「ロシアはウクライナとの戦争で決定的に変質してしまった。
もう隣国との紛争に他国の助けを借りる安全保障モデルは持続不可能だ」と指摘。
武器調達先を分散化した安全保障モデルへの転換に動き出している。
La Repubblica紙の取材に応じたパシニャン首相は、
「西側が南コーカサスからロシアの影響力を排除しようとしているのではなく自ら南コーカサスから撤退しつつある。
ロシアに依存した安全保障政策の多様化に取り組んでいる」と明かした。
パシニャン首相は「ロシアはウクライナとの戦争で決定的に変質してしまった」と指摘。
これは「アゼルバイジャンの強力な同盟国」で「西側の対露制裁に加わらない友好国」でもあるトルコをロシアが無視できないという意味で、
ウクライナとの戦争で疲弊するロシアの軍事的能力は低下し、南コーカサスでトルコを刺激するような行動も国際的に孤立するロシアにとって致命傷になるため、
パシニャン首相は「もう隣国との紛争に他国(ロシア)の助けを借りる安全保障モデルは持続不可能だ」と指摘。
ロシアに武器調達の99%を依存していたアルメニアは既にインドから155mm榴弾砲と多連装ロケットシステムを、イランから無人機を調達するため動き出している。
さらにパシニャン首相は「2020年の停戦合意に基づきナゴルノ・カラバフの現状維持にロシアは責任を負っていたが、この約束は全く機能していない」と言及。
パシニャン首相は今まで「アルメニアが置かれた立場を考慮するとロシアとウクライナの戦争に何を言える立場にない」と述べていたが、
6月に「我々はウクライナ紛争におけるロシアの同盟国ではない」と発言。
9月に入ると初めてウクライナに人道支援(タブレット等の児童向け学習用具)を送ると発表。
これを受けたロシアは「一連の行動は非友好的な行動だ」と反発。