ロシアと軍事同盟を結ぶ旧ソ連構成国、アルメニアの憲法裁判所が最近、
国際刑事裁判所(ICC)の管轄権を定めた「ICCローマ規定」に同国が加盟することは合憲だと判断。
今後、アルメニア議会がICC加盟の是非を検討する。
これに対し、ロ外務省は27日までに「プーチン大統領に逮捕状を出したICCの管轄権を、
アルメニアが認めることは容認できず、両国関係に重大な結果をもたらす」と警告。
アルメニア政府は、係争地「ナゴルノカラバフ自治州」を巡って、
2020年に大規模紛争が起きた隣国アゼルバイジャンの戦争犯罪を追及する目的で、ICCへの加盟を検討。
昨年末、アルメニア政府はICC加盟の合憲性に関する審査を同国憲法裁に求めた。
憲法裁は今月24日、ICC加盟は合憲だと判断。憲法裁の判断は取り消し不可能だという。
ロシアはアルメニアがICCに加盟した場合、プーチンが同国訪問時などに拘束される可能性があるとみて、
同国のICC加盟を阻止する思惑だ。
アルメニアのパシニャン首相は昨年11月、同国の首都エレバンで開かれたCSTO首脳会議で、
プーチンの面前でロシアの対応を批判し、共同宣言への署名を拒否した。
パシニャン首相は今年1月にも、アルメニアで今年に予定されたCSTOの合同軍事演習を受け入れないと表明。
背景には、20年の紛争で、アルメニアとアゼルバイジャンはロシアの仲介で停戦に合意。
ただ、アルメニアは実効支配地域の多くを失う形となり、以降、ロシアへの不満をたびたび表明。
アゼルバイジャンとの間で昨年9月に再び衝突が発生した際も、
アルメニアが加盟するロ主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」に介入を求めたが、
CSTOは事実上拒否。
ロシアはウクライナ侵略で余力がないことに加え、友好関係にあるアゼルバイジャンや、
同国の後ろ盾であるトルコに配慮した形だ。
‘@ロシアに対しても毅然とした対応のアルメニア。
正当性を主張しないと国民の指示は得られない。
国民も妥協は許さないようだ。
ウクライナ同様多くの日本人には理解できないのかも知れない。