札幌市で19日、75歳以上の高齢者を対象とした新型コロナワクチン接種の予約が始まった。
「かかりつけ医」による接種と集団接種会場での接種と2通りあり、
いずれも同日朝から予約の電話などが相次いだ。
「かかりつけ医」の一つ、勤医協もみじ台内科診療所(同市厚別区)には,
診療開始の午前9時前から接種予約をするために30人以上が並んだ。
電話も午前7時半ごろからかかり、夕方になっても鳴りやむことはなく、
19日だけで200件以上の予約を受け付けた。
石後岡麻里子看護師長は「このままではスタッフが倒れてしまう」と話した。
接種券が届いた11日ごろから問い合わせの電話は昼夜を問わず相次ぎ、
「集団接種会場の中央区まで行くのは大変」という声も多かったという。
同診療所は常時医師1人と10人ほどのスタッフによる小規模診療所で、
普段診療をしていない平日午後などに接種を行う。
石後岡さんは「せめて各区ごとに集団接種会場を設けてもらわないと、
普段の診療ができなくなってしまう」と危機感をあらわにした。
同市は集団接種会場を「かかりつけ医の補完的な位置付け」としているが、
実際には予約が相次ぎ、
午前9時の開始から40分後にインターネット分3455件の受け付けが終了した。
電話予約分は、午後6時の受け付け終了までに8045件中5057件が埋まった。
電話は終日つながりにくい状態が続き、NTTドコモ北海道支社によると、
午前9時~11時ごろには道内でも電話がつながりにくい状態になったという。
札幌市の85歳の高齢御夫婦は2人分のワクチンを予約しようと、
午前9時から自宅近くの病院に電話をかけたが、一向につながらず、
午後にようやく通じると「締め切りました」と言われた。
集団接種予約センターなどにも電話したが通話中でつながらず、この日の予約は断念。
夫婦は「どこも満員となれば、焦らないでと言われても焦る」と不満を口にした。