北京五輪から採用されたスキージャンプの新種目、混合団体で7日、大混乱が起きた。
大ジャンプを見せた高梨沙羅(25)が、抜き打ち検査により、スーツ規定違反で失格。
1回目のスーツ規定違反による失格後、憔悴。チームメートへ謝罪の言葉を繰り返した。
「大丈夫」という仲間の声掛けに「最後まで飛びます」と、ルール内のスーツに着替え、
自ら2回目も飛ぶことを決意。
スタートゲートに入った高梨選手、ゴーグルの奥の目は涙でうるんでいた。
時速90km超、選手が後方に引かれる重力加速度G。
涙で靄る滑走路、本来なら飛べるような状態ではない。
高梨選手は仲間のため、日本を背負って決死の覚悟で飛び、98・5メートルで着地した。
直後、涙が止まらない。泣き崩れ、両手で口を押さえ、しゃがみ込んだ。
タッフに支えられながら歩き、立っているのもやっとの状態だった
最終的に、日本は合計836・3点で4位に入った。
日本、ドイツ、オーストリア、決勝メダル圏内にいたノルウェーの2選手と。
合計5人のすべて女子選手が失格となる異常事態となった。
ジャンプ競技では、直立姿勢でスーツ寸法はボディー寸法と一致しなければならず、
最大許容差はスーツのあら ゆる部分においてボディーに対し
最低 1センチ、最大 3センチ(女子は最低 2センチ、最大 4センチ)との規定がある。
少しでも大きなスーツは空気抵抗を得て有利になるため、ミリ単位で違反を取り締まっている。
今回、高梨は2日前のノーマルヒルで着用した同じスーツが使用され、
試合前の検査はクリアしていたが、抜き打ち検査では、
太もも部分が規定より2センチオーバーしていたという。
‘@試合前の検査はクリアして、飛んだ後の検査で失格など、あり得ない。
誰にもどうすることもできない。
スキージャンプの新種目に、中国は自ら泥を塗った。
世界に恥をさらしたことになる。