新種目のジャンプ混合団体で日本の高梨沙羅選手(25)がスーツの規定違反で失格となった。
その後、オーストリア、ドイツ、ノルウェーの選手も失格となり、
0カ国中4カ国に失格者が出るという波乱の展開となった。
横川朝治ヘッドコーチは、「寒さが厳しかった分、
うまくパンプアップ(トレーニングによる一時的筋肉増大)できなかった」と分析。
「選手は僕らの用意したスーツを着てそのまま飛ぶので。僕らスタッフのチェックミスです」と、選手を慮った。
ノルウェーの選手は「通常とは違う測定方法だった」と問題点を指摘。
当事者のアルトハウスもインスタグラムで「私は11年間、失格になったことなどない。言葉を失う」
と悲しみを伝えた。
ドイツの監督で、自身も五輪3大会に出場したシュテファン・ホルンガッハー監督は、
「私にしてみれば、パペットシアター(操られた舞台)のようだ」と強く非難。
ドイツのアルトハウス選手は「このオリンピックで新しい種目ができて、とてもうれしかったが、
すべてFISが台無しにした。そして女性のジャンプを台無しにした。
彼らが何をしようとしていたのかは分からない」と涙ながらに猛批判。
11年間の競技生活を通じて「何度もスーツのチェックを受けており、私は失格になったことはない。
自分はルールに沿ってきた。私の抗議は間違っていない」と強調。
ノルウェーのブレード・ブラテン・コーチはメディアに、
「本当に言葉を失った。選手たちにとってはとても辛いことだ。
新しい種目を導入して、もう一つの種目に出場できたのにことにこんなことになってしまった。
そして、なぜ女子だけが失格になったのか。残念ながら、私たちのスポーツにとって悲しい日となった」
と述べ、FIS(国際スキー連盟)に対して説明を求める抗議行動を起こすことを明らかにした。
金メダルはスロベニアで1001.5ポイント、銀メダルはROC(=ロシアオリンピック委員会)で890.3ポイント、
銅メダルはカナダで844.6ポイント。
女子代表の鷲澤徹コーチは「太もも周りが規定よりも2センチ大きかった。
オリンピックなのでスーツもギリギリを攻めている。
1回目で着ていたスーツは、ノーマルヒルの試合で着ていたのと同じスーツだ」と説明。
そのうえで「この会場は、非常に乾燥しているので体内の水分が微妙に影響したのかもしれない」と話した。
3人目として飛んだ伊藤選手は「私自身もかなり体重が落ちて調整が難しかった。
みんな同じ状況の中で飛んでいるので、自分も対策はしてきたつもりだが、
きょうの試合展開はこれまでのワールドカップでもないようなものなので、これがオリンピックかと思った」と話した。
2人目として飛んだ佐藤幸椰選手は、「日本のみならず各国で失格者が出たが、
それだけ多くのルールのもとで私たちは試合をしている。
こういうことがあっても、その人のせいではないし勝負をした結果だ。
でも、ちょっときょうだけは神様を嫌いになった」と話した。
‘@日本人選手は冷静な対応に終始した。
声を挙げるべきだという人もいるのだろうが、真実は分からない。
私は批判するが、本当のことは分からない。
そして、まだ競技は残っている。
波風は立てない方が良いし、メンタルを保たなくてはいけない。アッパレ!
日本の4人目として飛んだ小林選手は「みんな精一杯のパフォーマンスをしていたので、
メダルには届かなかったが、いいゲームだったと思う。2本目は自分のパフォーマンスに集中していた。
いいジャンプだったと思う。ラージヒルも楽しみにしている」と話した。
3人目として飛んだ伊藤選手は「団体戦ということで、戦うのは1人ではなかったのでとても心強く、
個人戦よりもいいジャンプができたと思う」と話した。
また、3回目の出場となったオリンピックについては「試合の様式も全然違う中で、初めて出たような気持ちで、
見るものすべてが輝いて見えた」と振り返っていました。
日本の2人目として飛んだ佐藤幸椰選手は、「きのうに比べればよかったが、
あと2メートルずつ飛べていたらまだまだ勝負になった。
弱さがあったので試合の中で強くなる力を身につけなければいけないと思った」と話した。
そのうえで「きょうの悔しさを含めて男子団体では最高の結果を出せるよう頑張りたい」と意気込みを語った。