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​ロシアの自然火災、過去最悪の勢い。

どこも助けてくれず。


ロシアで森林などでの大規模な自然火災が発生し、焼失面積が増えている。

過去最悪となった昨年を上回る勢いで、プーチン大統領が10日、政府の会議で対応を指示。

ウクライナ侵略により、消火活動に軍を投入できないことなども影響している。

ロシア緊急事態省によると、年初からロシア全土で発生した自然火災は、13万8千件以上に上る。

50近い州などで特別態勢が敷かれている。

クラスノヤルスク地方で7日発生した火事で8人が死亡したほか、

4月下旬からシベリアとウラルの両管区で計15人以上が死亡。住宅など約1300軒が焼失した。



ロシア林業庁のデータでは、2018年に1540万ヘクタール、

19年と20年にそれぞれ1650万ヘクタール以上と年々増え、

21年は約1900万ヘクタールと過去最悪を記録した。

中東のシリアとほぼ同じ面積で、北海道の2倍以上の面積が焼失したことになる。

シベリアでは毎年、「ゾンビ火災」と呼ばれる野火が繰り返している。

雪の下、泥炭質(泥状の石炭の一種)を多く含んだ土壌で火の気がくすぶり続け、春になると再燃する。

今年もシベリア西部では、気温上昇に伴う火災シーズンに突入。

大規模な野火が発生しており、4月時点ですでに火災規模は昨年の2倍に達している。

NASAラングレー研究所のアンバー・ソジャ研究員によると、

大きな火災は衛星写真または通報による発見後、

平常時であれば軍用機を投入して消火活動が展開される。



シベリアは、現在地球上でもっとも速く温暖化が進行している地域のひとつ。

凍土中からメタンガスが放出されることで状況の悪化につながるほか、

火災による煤が北極に到達すると、海氷の融解を促進する。

さらにはジェットストリームが乾燥した高温の気流をアメリカ西部に運びやすくなり、

米西部でも森林火災が悪化するとの研究がある。

シベリアの火災は極めて広い範囲に影響を与える。

過去にはポーランドからも消防隊が応援に駆けつけている。

数年前には大規模な森林火災の鎮火を助けるべく、

ポーランドから数百人の消防隊員がモスクワ地方へ駆けつけた。

制裁の行われている今年はその支援も停止。

今ではシベリアの半分が燃えているが、誰も助けには来ない。

森林火災が「制御不能」なまでに燃え広がる可能性がある。

ウクライナへの侵攻は、ロシア自身の防火体制にも影を落としている。

‘@ロシアを応援する国もそういうことになる可能性があると認識すべきだ。