東京農工大 不適切契約141件。
国立大学法人・東京農工大(東京都府中市)で、低額工事などの随意契約を行う際、
複数社から見積書を得たように装う不適切な契約が141件・約5億3000万円あったことが会計検査院の調べで判明。
同大は先月、これらの契約に関与した職員23人のうち1人とその上司ら計6人を厳重注意などの処分とした。
残る22人についても口頭で{だめですよ」と注意するなどした。
同大によると、500万円未満の契約では、業務効率化のため随意契約を認め、
発注時になるべく複数社に見積書を提出させて見積もり合わせを行うよう内規で定めている。
だが、検査院が2020~21年度の随意契約576件(約27億円)を調べたところ、
公用車の購入や空調工事など141件で、受注業者が他社の見積書も一緒に提出。
価格を比べて安い方を選ぶ「見積もり合わせ」が形骸化していた。
低額工事などの随意契約は、京都大霊長類研究所(閉鎖)でも20年、同様の不適切な契約が検査院に指摘された。
警視庁が今年5月に摘発した国立病院機構の病院を巡る汚職事件でも、
贈賄側の業者が他社の見積書を提出していたことが判明している。
検査院は「公費を使う以上、低額の随意契約でも、無駄な出費は許されない」としているが。
違反しても「だめですよ」の一言で許される。