「一歩踏み出しただけで、長靴がズボッとくるぶしまで地中に吸い込まれました。まるで底なし沼ですよ。
杭も打てないようなユルユルの地盤なのは一目瞭然。ここにカジノやホテルを建設するなんて、到底無理ですよ」(工事関係者)
大阪府と大阪市が誘致を進めるIRの建設予定地である大阪・夢洲(ゆめしま)。
埋め立ててできた人工島であり、かねてから液状化や土壌汚染、地盤沈下の問題が指摘されていた。
「現場作業員からは『地盤や土壌にある程度の問題があることはわかっていたが、ここまで軟弱だとは……』
『想定外のユルさ。こんな難しい現場は滅多にない』と悲鳴に近い声があがっているという。
大阪市はカジノ建設費に公費は使わないと主張していたが、土壌汚染対策や液状化対策などに約790億円を投入することを決めた。
ただ、実際にこの目で現場を見た印象は『とても790億円では済みそうにない』です」(同前)
建設予定地は関係者以外立ち入り禁止になっており、内情はブラックボックス化している。
しかも市が投入する予定の790億円には「地盤沈下対策」が含まれていない。
そもそもIRの誘致自体がうまくいっていない。今年1月には、49万平方メートル(49ヘクタール)の土地が、
1平方メートルあたり月額428円という格安の賃料で事業者に貸し出されることについて、住民監査請求されている。
「大阪市の幹部には『あの土地にIRを建設するのは無理筋だ』という向きが多い。
ところが、松井一郎市長は聞く耳持たずで、地盤沈下対策にかかる追加費を試算しろとオーダー。
ただ、現場の状況があまりにもひどく、ソロバンを弾くことすらできない」と大阪IR関係者。