「30年以内に70~80%」とされる南海トラフ地震の発生確率が「水増し」されている。
橋本学東京電機大特任教授が6日、日本記者クラブ(東京都千代田区)で会見し、
政府の地震調査委員会が公表している全国地震動予測地図について「低確率の地域の防災が手薄になる実態があり、公表はやめた方がいい」と主張。
橋本氏は2014年版の予測地図と、実際に地震があった地点の確率を比較。
その結果、15年から9年間で震度6弱以上の揺れを観測した22地震のうち、発生確率が高いとする6%以上の地域に影響があったのは9回だけだったとし、
「次は南海トラフだと思い込ませ、罪が重い」と指摘。
また予測地図に「確率が低くても安全とは限らない」「油断は禁物」と注釈を入れている点を挙げ、「試作品だと白状している。
そんなものを社会に出すことは問題だ」と批判。
南海トラフの発生可能性が高まったとみなされた場合に政府が発表する「臨時情報」についても、
「ほとんどが外れる情報。国民が地震は突発的に起きることを忘れないか懸念がある」と懸念。
橋本氏は、「確率計算にモデルを使うべきではない」とする論文をまとめた。