高橋さん(25)が発症したのは、緊急事態宣言が出された直後の4月8日。
それまでもサラリーマンとして日々通勤せざるをえず、感染の恐怖は常に感じていた。
うがいや手洗い、マスク等の対策は講じていたが、
8日から高熱や倦怠感、味覚障害の症状が出始めた。
「38度以上の熱が続き、『コロナかも?』と思ったため、
4日程の自宅待機後、保健所に問い合わせしました。
4日目の11日が土曜日だったので、13日の月曜日に電話したところ、
引き続き自宅待機と言われたんです。
でも、15日には熱が 41.7度まで上がってしまい、救急車を呼びました。
そこでも、『いま乗っても、病院をたらいまわしにされてしまう。
いったん(市販の)解熱剤が効くかどうか、様子を見てくれ』と言われました。
16日に再度保健所に連絡し、なんとか病院の受診許可が下りました」
しかし、病院は、自力で探す必要があった。
近隣の大病院4カ所に電話したところ、初診であることを理由に診察を断られてしまったという。
「5軒目で受け入れてくれる病院を見つけ、CT撮影後、すぐに別の大病院へ搬送されました。
血液検査、レントゲン撮影、PCR検査など一通りの検査をおこない、そのまま入院です」
その後ホテルへ。
5月1日、2回連続でPCR検査で陰性となり、無事に退院が決まった。
公共交通機関の利用も許可され、ホテルから自宅へ。
2~4週間の自宅待機が必要なため、高橋さんはいまも家にこもっている。
ちなみに、勤務先は「病欠扱い」にしてくれたという。
驚いたのは、退院の2日後に届いた病院の請求書だった
「病院からの請求書を見たとき、目が飛び出るかと思いました。
病院側も公費負担という認識でいたため、支払いは食事代以外は発生しないという説明でした。
そのため、保険証の提示を求められることなく、掲示するタイミングがなかったのです。
結果、一度建て替える必要があるという旨の連絡とともに、
10割負担の55万3280円の請求書が来てしまいました。
主に『包括医療費』という形で請求されましたが、PCR検査や看護師さんの防護服代、
病院のコロナ対策の改修費などを含めて考えれば、非常に安い金額だったのだと思います。
保険証を提示すれば17万円ほどになるそうです(現段階では未精算)。
入院費は公費負担になるため、実費は1~3万円程度で済みますが、
それでもいったん17万円を立て替える必要があり、正直痛い出費です。
ホテルの滞在費は無料でしたが、一時的にある程度の出費があることはお伝えしたいです」
最後に、高橋さんはこう話した。
「対策していても、かかるときはかかります。
だからこそ、感染の機会を減らすため、家から出ないことがやはり大事だと痛感しました。
必要な食事の買い出しや仕事以外では、家にいることの大切さを今一度周知したいです」
‘@たらい回しになっている、受け入れ先がないということは、
一時的にせよ、医療が崩壊しているという事。