(三井住友DSアセットマネジメント参照)
新型コロナの感染拡大を受けて各国政府は国民に対して行動制限を実施。
その程度には大きな差が出ている。
滞在人数・時間を示す「モビリティ指数」を算出。
人が社会的活動のために移動をする能力。
新型コロナウイルス流行前の基準値からの差を、
「住居」、「公園」、「食品・薬」、「小売・娯楽」、「駅」、「職場」の6つの指数として公開。
ここでは経済活動と特に関わりの深い後者3つの平均値を用いて、
世界的に感染が拡大し始めた3月1日から5月15日までの『行動制限の強弱』を、
名目GDP上位の35ヵ国・地域を対象に比較。
制限が特に大きいのは新型コロナウイルスによる被害が深刻な欧州。
被害が大きいイタリアはモビリティ指数は-65%の大幅な減少。
特に3月中旬から5月までは-80%程度と非常に低い水準が続いていた。
欧州以外では、強硬なロックダウンが実施されているフィリピンのほか、
マレーシア、インド、ニュージーランドなどでもモビリティ指数の落ち込みが大きい。
逆にモビリティ指数の落ち込みが世界で特に小さいのが、
アプリによる行動管理と徹底した検査で感染が抑えられていると言われている韓国は-13%。
早期の対策が奏功したと言われている台湾は-9%。
日本のモビリティ指数-25%の落ち込みはスウェーデンの-23%とおおむね同程度。
5月の大型連休中の-50%程度が最も大きな落ち込みとなっている。
‘@この結果を見ると意外と日本人は思ったよりも行動している。
特に職場や駅の指数が低いのだろう。
騒がれないと海や山にも出掛ける。
食事などにも出かける人は少なからずいる。
これが感染が広がった要因の一つである可能性は大きい。
そして、いかに国の早期対策・対応が重要かが分かる。
感染が拡大してから、ロックオンしても感染は止まらない。
それに伴って死者数も増加する。
逆に、早期対策が取れれば感染拡大は防げ、人も動けるということだ。
忘れてはいけない、早期対策が何よりも重要なのだ。
有事の際、政治家は恐れてはいけない、躊躇してはいけない。
欧米と比べるとアジア全体が感染者も死者数も低い。
その中で日本はワーストに入る。
イタリアやスペインと日本を比べ安心している場合ではない。
台湾やベトナムと比較して、今後の対策に生かさなくてはいけない。
その方が理に叶っている。
そして、なぜ、アジア圏は感染者や死亡者数が低いのか。
アジアの中には公衆面であまり衛生的でない国もある。
それでも、欧米に比べると低く抑えられている。
だとすれば、日本の公衆衛生功にも疑義が生じる。
いずれにしろ解明すれば、今後の新型コロナ対策に多大なる恩恵をもたらす。
秋以降の第二波警戒に向けて、日本の研究者の探求を望むところだ。