大統領「泣き言やめろ」
南米ブラジルで、新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。
3月に入って、1日あたりの死者数は過去最多を更新し、
1日あたりの感染者数も6万~7万人台が続く。
変異株も広がり、サンパウロ州では6日以降、必要不可欠でない経済活動が停止されている。
サンパウロ州のドリア知事は3日、「昨年3月以来、最悪の2週間に直面するだろう」
州全域で最大警戒態勢にすると発表した記者会見で、こう述べた。
ブラジル保健省によると、4日までの累計感染者数は1079万3732人で、
4日の新規感染者は7万5千人を超えた。
また、累計死者数は26万970人で、3日には死者が1910人と過去最多を記録し、
4日も1699人だった。
現在の感染増加の一因とされているのは、日本と同じ年末年始からの動きだ。
11月から始まった第2波は1月にピークを迎え、いったんは落ち着きかけたが、
2月のカーニバル後から再び増加傾向にある。
カーニバルなどに関連するイベントの多くは中止されたが、この期間中のビーチや別荘地では、
市民が大勢集まる姿が見られた。
北部アマゾナス州から日本に帰国した人から1月に見つかった変異株も、ブラジル全土に拡大している。
現地の研究では、この変異株は元のウイルスよりも感染しやすく、感染拡大の一因とされる。
再感染した人もおり、ワクチンが有効かも研究中だ。
日本同様、頼みのワクチン接種もなかなか進まない。
1月中旬から医療従事者や高齢者への優先接種が始まったが、
1回目の接種を終えたのは人口の3・5%の735万人にとどまる。
しかし、日本はまだ雀の涙にもならないくらいだ。
日本の100人当たりのワクチン接種率は0.04%(8日時点)、G7中でワースト1位。
批判が高まる中、ボルソナーロ氏は3日、「ブラジルは一番予防接種をしている国だ。
私たちは宿題をしている」と語り、ワクチン接種は進んでいると詭弁を主張した。
メディアがパニックを作っているとし、「彼らにとってウイルスは私だ」「マスコミを見ていたら生きていけない」
などとマスコミを批判をした。
4日に発表された世論調査では、ボルソナーロ氏大統領の不支持率は2週間前の49%から51%に上昇。
一方、支持率は3ポイント落ちて40%だった。
それでも、ボルソナーロ大統領の姿勢は変わっていない。
累計死者数が26万人を超えた4日は「泣き言はやめろ。いつまで悲しんでいるつもりだ」と叫んだ。
夜間の外出が禁止されたサンパウロ州では、警察が違法パーティーの取り締まりを強化している。
銃を構え建物に入っていく警察官。向かったのはパーティー会場で、
違法に集まっていた若者らを次々と拘束した。
世界中で同様のことが起きている、動けば感染は拡大する。なぜ理解できないのか。
不思議で仕方ない。