中国の孔鉉佑駐日大使が新年早々に公の場から姿を消している。
年明け以降の約2カ月間の対面公務は、すべて楊宇公使が「臨時代理大使」の肩書でこなしており、
日本の華僑・華人社会や日中交流団体などでは、
「両国の交流を停滞させかねない状況」と懸念を深めている。
特命全権大使の長期不在は尋常な状況ではない。
中国では、外交官は突然本国に呼び戻され、失脚するケースも少なくない。
「失脚」を疑う声もささやかれているが、そこまでの言動も見当たらない。
日本の、五輪や台湾に対する姿勢に反発して、格下の臨時代理大使に実務をまかせるという、
日本側に「よく考えろ」といわんばかりの、不満表明にも見える。
もう少し恐ろしい話で言えば、ロシアがウクライナに攻め入ることを知って、
中国が台湾に本腰を入れ始めた布石。
中国は、東京で台湾社会との非公式な接触チャンネルを維持している。
駐日大使不在は台湾社会に対する拒絶の意思表示にもつながる。
習近平の思惑はどこにあるのか。