ロシアのプーチンは11日、モスクワ郊外の公邸で、オーストリアのカール・ネハンマー首相と会談。
オーストリアは軍事同盟に入らず、武力紛争に関与しないことを掲げる永世中立国。
プーチン率いるロシアのウクライナ侵攻後、プーチンがEU加盟国の首脳と対面での会談は初めて。
オーストリア政府が発表した声明によると、会談は非常に厳しく率直な雰囲気で行われたという。
ネハンマー首相は会談後の記者会見で、プーチンは「戦争の論理にすっかり入り込んだ」と指摘。
外交努力の見通しについて「楽観的か悲観的かと問われれば、どちらかというと悲観的だ」とし、
「和平交渉は常に長い時間がかかるものである一方、
軍事的論理では『あまり時間はかけずに直接戦闘に突入しろ』となる」と説明。
ネハンマー首相はプーチンに、
「戦争犯罪に関わった責任者は全員が処罰を受ける必要がある」ことを強調し伝えた。
そして「ウクライナで人々が命を落としている間は制裁が続き、より厳しくなるだろう」と警告したという。
会談後、EUのウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長とドイツのオラフ・ショルツ首相と話し、
ロシアの行動に対する欧州の怒りを直接表明するために、
「このような会談をさらに行う必要がある」と指摘したことも明らかにした。
‘@ネハンマー首相は、外交努力、調停をしようとしたのか、
プーチンに怒りをぶつけたかったのか。
処罰を受ける必要があることを伝えたというが、出来ないことを強調して伝えても意味がない。
相手の怒りを増幅させるだけだ。
後に繋がる外交をしなければならないのに、「怒りを直接表明するために会談をさらに行う必要がある」
とするのは、相手からすれば「そんな会談はしたくないし、意味がない」となる。
いずれにしろ、こんな相手と、どうやって外交と政治で解決するのか。
ロシアのペスコフ大統領報道官は会談に先立ち、
「オーストリアにとって非常に重要な天然ガスの議題を避けることはできないだろう」と恫喝していた。
フランスのオランド前大統領は、在任中にロシアのプーチンと協議した経験を踏まえ、
「彼はうそをつくのが習慣だ」と明言。
プーチンと対話するということは「口に出すことは実行せず、したいことは口に出さないと知りながら、
何時間も話を聞くことだ」と説明。
オランド氏は14年に勃発したウクライナ東部の親ロシア派武装勢力とウクライナ軍の戦闘を巡り、
ドイツのメルケル前首相と調停役を務め、ミンスク合意をまとめた。
当時、プーチンがオランド氏に対し、親ロ派勢力の指導者について知らないふりをしたと明かした。
それを、日本の自民党の安倍議員が総理時代に強く伝えてくれればよかった。