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「同性愛は依存症」自民党議連。

LGBTの自殺は本人のせい」自民党議連で配布。

松岡宗嗣一般社団法人fair代表理事

今月、自民党議員の大多数が参加する議員連盟の会合で、ある冊子が配られた。

冊子のタイトルは「同性愛と同性婚の真相を知る」。

弘前学院大学の楊尚眞氏による講演録のようだ。

そこには「同性愛は精神障害で依存症」など、性的マイノリティに関する差別的な内容が書き連ねられていた。



「同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害、または依存症です」

「(同性愛などは)回復治療や宗教的信仰によって変化する」

「世界には同性愛や性同一性障害から脱した多くの元LGBTの人たちがいる」

LGBTの自殺率が高いのは、社会の差別が原因ではなく、LGBTの人自身の悩みが自殺につながる」

性的少数者のライフスタイルが正当化されるべきでないのは、家庭と社会を崩壊させる社会問題だから」

性的マイノリティの権利保障が一向に進まない日本。



その背景には、政権与党である自民党が、同性愛嫌悪やトランスジェンダー嫌悪、

性的マイノリティに対して差別的な認識を持つ「宗教」組織によって支えられている実態がある。

冒頭、「今日の講演の目的は(中略)性的少数者を卑下したり、軽んじることではありません。

性的少数者の人格、尊厳は尊重しなければなりません」と書かれている。

しかし、そのあとに続く言葉は、明らかに「人格と尊厳の尊重」とは真逆の、

ヘイトスピーチや憎悪言説と呼べるようなものばかりだった。



会で配られた冊子では、転向療法を推奨するような危険な考え方が記載されていた。

アメリカ精神医学会は、2007年に「同性愛者への転向治療は効果がない」ことや、

むしろ転向療法によって「うつ病、自殺などが増加する」といった指摘をしている。

これに対して冊子では「回復療法をしたから彼らがこのような状態になるのではなく、

元々彼らは自分たちの内面に様々な問題を抱えていることに起因する」のだと主張されている。

さらに、学校で教えるべきは「回復治療や宗教的信仰、又は自然に変化していくことがあり、

世界には同性愛や性同一性障害から脱した多くの元LGBTの人たちがいるということ」だと続いた。

同性愛は「後天的」なものだから「矯正すべきだ」という危険な論理が展開されている。

さらに「同性愛を擁護する教育をすれば同性愛者は増える」とし、

性的少数者のライフスタイルが正当化されるべきでないのは、

家庭と社会を崩壊させる社会問題となる」と述べている。

最後に、「国連や欧米諸国からも同調圧力がありますが、決して屈することなく、

むしろ世界の過ちを正しい方向に導く道徳的な国家になるべきだと思います」と締め括られていた。



‘@以前から、政権の中に、古い考えから脱出できない、

固定観念にとらわれている政治家が多数いるから、

生の多様性など受け入れられないと指摘してきた。

現に、そういった発言を堂々とする議員も多数いる。

性の多様性をめぐって、世界の認識は大きく変わりつつある。

しかし、日本の政権与党の中には、かたくなに変えたくない現状がある。