中国がロシア向け輸出を「激減」させていた?
ロシアに対する国際制裁が機能していないのではないかという懸念が渦巻いている。
しかし、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を確実に追い詰めていることを示唆するデータもある。
習近平国家主席がロシアへの「無制限の協力」を公言した中国ですら、
ロシアに対する「輸出」を激減させているのだ。
それがプーチン大統領に与えるダメージについて、調査結果を踏まえながら考察したい。
(イトモス研究所所長 小倉健一)
現在のロシアは、ウクライナへの侵攻の結果、西欧諸国の猛反発に遭い、厳しい経済制裁が課されている。
しかしプーチン大統領は、その記念展で「ロシアはソビエト連邦のように世界から自らを閉ざすことはない」
「米国や欧州連合(EU)がロシアとのビジネスを望まないとしても、
アジア、ラテンアメリカ、アフリカの国々はビジネスを行うだろう」とも述べた。
ロシアの最大の輸出品である「石油」は、
ウクライナの戦争で展開されるロシア軍の弾丸やロケットの資金源となっている。
欧米は、制裁を通じてロシアの最大市場である欧州から切り離すことで、
この石油という資金源を断ち切ろうとしていた。
しかし、そこに立ちはだかったのが中国とインドだ。
戦争が始まって約4カ月が経過したが、ロシアの原油輸出量は、わずかに減少した程度だ。
中国とインドへの販売によって、激減した欧州向けの輸出を埋めてしまった。
ウクライナ侵攻後、世界の対ロシア輸出は、制裁を発動した西側諸国だけでなく、
中国を含む非制裁国からも激減したことが、新しい分析で示されている。
54カ国のデータを分析したピーターソン国際経済研究所の調査レポート、
「Export controls against Russia are working―with the help of China
(ロシアに対する輸出規制は中国の協力の下で機能している)」によると、
2月24日の侵攻開始からおよそ2カ月間で、制裁対象国のロシアへの輸出は約60%減少し、
非制裁対象国の輸出は約40%減少したという。
中国の対ロ輸出も激減している。
「米国の輸出管理・制裁法では、中国企業がロシア向け機密品の販売禁止に違反すると、
重要な技術、商品、通貨(主要な基軸通貨発行国は全て制裁に参加している)を、
入手できなくなる可能性があるとされている。中国の行動はこのリスクを反映している。
侵攻後の対ロ輸出は、2021年後半と比較して38%減少し、非制裁国の平均と同水準となっている」(同レポート)
ロシアが戦争を継続し、最先端産業を維持するために必要なものを手に入れにくくなっている。
「ロシアは密輸入などの懸命な「努力」を続けているのだという。
制裁や輸出規制の脅威がプーチン大統領の侵攻を抑止できなかったことは明らかだ。
しかし、ロシア経済省が「2022年に最大12.4%の国内総生産(GDP)縮小」を予測したように、
中長期的な展望は見えている。
ロシアによる弾圧や経済・人道状況の悪化に刺激されて、党派的な抵抗運動が拡大している。
長引くであろう経済制裁、そして武装組織によるテロリズム。
ロシアが払う侵攻の代償は高まりつつある。
‘@だが、プーチンはしぶとい
その間、ウクライナは地獄のまま。
中国もインドも、うらめしや~
杉村太蔵は日本も中国やインドのようになれという。