香港で1日、返還25年の記念式典があり、習近平国家主席が演説。
習氏は「愛国者による香港統治」を実現し、香港に「繁栄と安定」をもたらしたと虚偽を強調。
また、香港に高度な自治を認めた「1国2制度」が「成功だった」と自賛し、
中国共産党による統治を正当化した。
香港の憲法に当たる香港基本法は1国2制度を返還から50年間維持すると明記だけした。
習指導部は、反政府的な言動を取り締まる香港国家安全維持法（国安法）や、
親中派だけが立候補できる選挙制度を導入し、憲法とは真逆の民主派に壊滅的な打撃を与えた。
国際社会からは「1国2制度を崩壊させた」と非難が集中。
習主席は、2019年に起きた大規模な政府への抗議デモを念頭に、
「香港は乱れてはならない」と、自身が原因の反乱を、香港国民が悪いかのように呼びかけた。
「国家の主権と安全、発展の利益を守ることが1国2制度の最高の原則だ」と矛盾を強調。
国安法の導入や新たな選挙制度がこうした方針に合致していると主張し、
「このような良い制度を変更するどのような理由もなく、長期にわたり堅持すべきだ」と、
強硬姿勢を貫く姿勢を改めて示した。
中国政府が香港に対して「全面的な管轄統治権」を持つと改めて指摘し、
これが香港に与えられた高度な自治の「根源だ」とし、当局の言う通りにしろと述べた。
「中国共産党による指導は中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴だ」とし、
香港の全住民は「尊重すべきだ」と釘を刺した。
また「過去25年間、香港の経済は繁栄してきた。
国際的な金融や貿易の中心地としての地位は揺るぎない」と発展をアピールした。
香港では連日、1000人を超える新型コロナ感染者が確認されている。
香港当局は例年、返還式典や関連行事で海外メディアの取材を受け入れてきた。
だが香港紙によると、今年は「新型コロナの状況や保安上の理由」などとして、
多くの海外メディアの取材を許可しなかった。
