東京オリ・パラリンピックを巡る汚職事件の刑事裁判が22日、東京地裁で始まった。
東京地検特捜部による捜査の過程で、参考人として事情聴取を受けた、
大会組織委員会会長だった森喜朗・元首相(85)の供述内容が判明。
森氏は特捜部に、スポンサー決定が自身に一任されていたことを説明、スポンサーに選ばれる前のAOKI側と会食していたことを認めた。
この日の法廷で検察官による供述調書の朗読や関係者によると、森氏は高橋被告の理事就任について、
竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)前会長(75)から推薦を受けたと供述。
森氏は「電通出身者が理事にいたほうがいい」と思い、
それまでに高橋被告が集めた資金の一部が使途不明瞭という「よからぬ噂うわさ」も耳にしたものの、
最終的に理事就任を受け入れたと述べた。
人脈が豊富な高橋被告を「便利」と考え、スポンサー集めなどのマーケティングを担当してもらうことにしたと話した。
森氏はまた、「スポンサー決定は、理事会の決議により、会長の私に一任されていた」と説明。
実際のスポンサー探しや交渉、組織委のマーケティング専任代理店だった電通とのやりとりなどは、
高橋被告や組織委職員が行い、自身は了承する立場だったとした。
AOKI側がスポンサー就任や日本代表選手団の公式服装の受注を望んでいることを知り、
青木被告に「ラグビー・ワールドカップが開催される頃までにAOKIさんがスポンサーに決まっている」と伝えていという。