（週刊文春）抜粋。
東京都が2016年五輪の招致に敗れ、再び次の2020年五輪招致に向けて正式に立候補を表明した約1年3カ月後。
12年12月に、それまで下野していた自民党が再び政権に返り咲き、第2次安倍晋三内閣がスタート。
安倍政権が肝煎りで推進した五輪招致のキーマンとなる男は、当時の状況について知人にこう話している。
「安倍さんから直接電話を貰って、『中心になってやって欲しい』とお願いされたが、
『過去に五輪の招致に関わってきた人は、みんな逮捕されている。
私は捕まりたくない』と言って断った。
だけど、安倍さんは『大丈夫です。絶対に高橋さんは捕まらないようにします。
高橋さんを必ず守ります』と約束してくれた。その確約があったから招致に関わるようになったんだ」
その五輪招致が実を結び、大会が無事終わった後、約束の主、安倍元首相は凶弾に倒れ、
招致のキーマンだった男は司直の手に落ちた。
東京地検特捜部は8月17日、受託収賄の疑いで、
東京オリ・パラ大会組織委員会の元理事、高橋治之容疑者（78）を逮捕。
高橋容疑者は大会スポンサーだった紳士服大手の「AOKIホールディングス」から、
総額5100万円の賄賂を受け取っていたとみられている。
高橋容疑者はゴルフを通じてAOKIの創業者で前会長の青木拡憲と知り合い、
17年9月に自ら経営するコンサルタント会社「コモンズ」でAOKIと顧問契約。
その後、AOKIが東京五輪のスポンサーになる過程で、便宜を図り、
他にもAOKI側から競技団体へ拠出された寄付金の一部、2億3千万円が高橋容疑者の元に渡っていたことも発覚。
贈賄側も青木前会長、実弟で前副会長の青木寶久氏や寶久氏の秘書役だった専務執行役員も逮捕された。
AOKIの洋服事業は苦戦しており、五輪の公式スーツの受注などを浮上の起爆剤にしたいと考えていた。
青山の『アニヴェルセル』には、会長や副会長が使うプライベートラウンジがあるが、
そこで高橋容疑者や大会組織委員会の会長だった森喜朗氏などをもてなしていたという。
（青木前会長を知る会社役員）
高橋容疑者は、スポーツビジネスに精通し、絶大なる影響力を持つ大物として知られていた。
だが、彼は13年9月に開催都市が東京に決まり、翌年1月に大会組織委員会が発足しても、
すぐには理事に選ばれなかった。
電通の電通では流石にあからさまで間を置いたのだ。
35人目の最後の理事枠に彼を押し込んだのは森会長だったという。
高橋容疑者は結果を見極めたうえで理事のオファーを受けたのだ。
09年10月、デンマーク・コペンハーゲン。16年の五輪招致活動に関わった幹部の1人は、
決するIOC総会を目前に控え、現地に高橋容疑者の姿を見つけ驚いたという。
「招致活動にほぼ関わっていなかったはずの高橋容疑者が突然現れ、
票の行方を握るセネガル出身のラミン・ディアク国際陸連会長（当時）に接触し、
『ラミンはアフリカの16票を纏めたと言っている』という情報をもたらした。
結果的に日本は敗れましたが、初めから高橋氏を頼るべきだったという後悔だけが残った。
次の五輪招致は、高橋氏頼みになることは目に見えていた」と打ち明けた。
そして高橋容疑者は招致委員会のスペシャルアドバイザーに選ばれた。
高橋容疑者がスポーツ事業で頭角を現したのは、サッカー界の英雄ペレの引退試合を成功させた77年。
ペレの引退試合の話を耳にした高橋容疑者は「自分に任せてくれれば必ず成功させる」と手を挙げたという。
結果、ペレの引退試合は国立競技場が超満員となる大成功を収める。
噂を聞きつけたサッカーのワールドユース大会のスポンサーだったコカ・コーラ社が高橋容疑者を直々に指名。
その後、日本で開催されるワールドユース大会の事務総長として来日したのが、ブラッター氏だった。
彼はサッカー界に君臨するFIFA会長、アベランジェの側近であり、自身ものちにFIFAの会長に就任している。
高橋容疑者はスポーツ界の中枢に繋がる鉱脈を引き当てたのだ。
‘＠日本の司直は文春に任せた方がいい。大(笑)だ！
自公与党に取り込まれ腐っているメディアなどを誰が復活させるのか。
国民しかいない。
