オーストラリアが提供する段ボールと輪ゴムで作られた無人機「CORVO PPDS」がウクライナで活躍。
非欧米諸国の中でオーストラリアはウクライナに軍事支援を提供している数少ない国の1つだが、
豪州では無人機開発も盛んで多種多様のミリタリー向けドローンが製品化されている。
オーストラリアの軍事支援には複数種類の無人機が含まれていると言われており、
これまでD40の提供しか判明していなかったが、メルボルン郊外で開催されているアバロンエアショーで、
オーストラリアのマールズ国防相とミロシュニチェンコ駐豪ウクライナ大使が、
Sypaq社のブースを訪れ「段ボールと輪ゴムで作られた無人機(CORVO PPDS)がロシア軍との戦いで役に立っている」と明かした。
Sypaq社が開発した段ボールで構成された機体はグルーガン、スパナ、ナイフ、テープ、
輪ゴムで簡単に組み立てられ、ピザサイズの箱に24機分の組み立てキットが収まるように出来ているという。
ただPPDSの制御システムはミリタリー仕様で、基本的に同機はGPSガイダンスを利用して、
指定された地点まで自立的に飛行するためオペレーターを必要とせず、
もしGPSが妨害されても、慣性航法で目標までの飛行を継続することができる。
ミロシュニチェンコ大使は「見た目は子供のおもちゃのように見えるが、実際に使用してみると本当に凄い。
この無人機は敵に多くのダメージを与えるのに優れている」と絶賛。
基本的にPPDSは使い捨てタイプだが、中には60回も繰り返し飛行したものがあり、
1機あたりのコストは564ポンド~2,800ポンド。
小型のカタパルトで打ち上げられるPPDSは最大60km先離れた戦場情報を持ち帰ることができ、
さらにPPDSの航法システムはウクライナ製無人機よりも高度なものを採用しているため、
爆弾運搬ミッションにも対応できるだろうとしている。
‘@世界のドローン技術は格段に進んでいる。
低コストで高性能。
Forbesは「もしPPDSのようなUAVが数千機あれば1機のMQ-9やF-16よりも大きな影響力を持つようになるかもしれない。
ロシアは段ボール製のUAVで立ち向かうというアイデアを笑うかもしれないが、その失笑は長くは続かないだろう」としている。
オーストラリアはウクライナにPPDSを毎月100機以上提供し続けているようだ。