中国、台湾囲み演習継続。
9日、中国軍による台湾を取り囲む地域での軍事演習は2日目に入った。
台湾の国防部(国防省に相当)は8日、中国の軍用機延べ71機と艦艇延べ9隻が同日午後4時までに、
台湾海峡周辺で活動したと発表。
うち延べ45機が中台間の事実上の停戦ラインである台湾海峡の中間線を越えたり、
南西の防空識別圏(ADIZ)に進入したという。
台湾の蔡英文総統が訪米しマッカーシー下院議長と会談したことへの対抗措置で、
中国は蔡政権への軍事威嚇を強めている。
台湾方面を管轄する中国人民解放軍東部戦区は8日、台湾海峡と台湾の北部と南部、東部の海空域で、
軍事演習やパトロールを10日まで実施すると発表。
中国の海事当局は7日、台湾本島の対岸の福建省近海で、8~20日に断続的に実弾射撃訓練が行われるとして、
船舶の航行禁止を伝えている。
台湾海峡のさらなる緊張や、日本など周辺国への影響が懸念される。
一方で、台湾世論に配慮し、昨年よりも抑制的な反応にとどめている傾向もある。
来年1月の総統選を前に、圧力を強化し過ぎれば中国脅威論に火がつき、
中国側が敵視する与党、民主進歩党に有利になりかねない。
演習開始の時期も、マクロン仏大統領が7日に訪中を終えて帰国するのを待ったようだ。