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​人間が保護した絶滅危惧種が急速な進化?

まさかの誤算…人間の保護下で暮らす絶滅危惧種、「あらぬ方向」に急速な進化を遂げてしまったことが判明

<天敵のいない環境で保護されて暮らすうちに、「天敵に捕獲されやすい」方向へと急速に進化しつつあることが研究で明らかに>

オーストラリアに生息する可愛らしい有袋類「フサオネズミカンガルー」は、人類が持ち込んだ動物に捕食されたり、生息地を奪われたりした結果、絶滅の危機に追い詰められた。

現在では人間の手で保護されて徐々に数を増やしているのだが、その結果として「あらぬ方向」へと急速に進化してしまっているという。

天敵に遭遇する機会がなくなったため、一部の集団では、捕食者から身を守るための能力が急速に失われつつあるという。

西オーストラリア州の州都パースから南に300kmほど離れた町マンジマップ近郊に、ペラップ自然保護区がある。



研究チームは、この自然保護区内に生息するフサオネズミカンガルーについて10年分のデータを調査し、近くの野生生息地で生息するフサオネズミカンガルーの個体数データと比較した。

この野生生息地の集団は、残された2カ所の自然個体群の1つ。

「自然保護区内で、10年間にわたって守られて暮らしてきたフサオネズミカンガルーは、捕食回避反応が弱くなっていることがわかった」とハリスン氏は話す。

「つまり、反応が鈍り、天敵から逃げられる可能性が低くなったのだ」

「キツネやネコから逃げる必要がなくなったため、小型化し、脚も短くなった。体が大きいメリットがあまりないからだ。

また、野生的な捕食回避反応もみせなくなった。たとえば、敵の気をそらすために、お腹の袋にいる子どもを地面に落とす(危機に瀕して袋の筋肉が弛緩し、子どもがそこから転げ落ちる)などの行動があまり見られなくなった」としている。

保全生物学ジャーナル「バイオロジカル・コンサベーション」で、2023年5月に研究論文で発表された。

自然で生き延びられるようになってほしいという思いに反する皮肉な流れになっているという。

‘@10年でそんなに変化するのか。だとすれば重要な発見だ。

今まで考えていた以上に急速に生物は進化する可能性を秘めている。

ダーウィンの進化論も、ますます信ぴょう性を増すということか。