政治資金から支出、CO2排出量は40トンの計算 私的使用なら虚偽記入の可能性も
「脱炭素を日本全体に広げ、さらには世界中の脱炭素に貢献したい」
昨年7月に東京で開かれた国連気候変動枠組条約主催の国際会議で時の山口壮(つよし)・環境大臣はそう高らかに演説。
だが、山口議員は毎年政治資金で莫大なガソリン代を払っていた。
走行距離に換算して、年間地球6周分になる。
官僚出身の政治家には珍しく“ドブ板選挙”に熱心で、地元の兵庫12区では、
「山口先生は選挙になると車に自転車を積んでやってきて、あとは自転車で地域をくまなく回っていきますね」(有権者)と自転車行脚で知られている。
ところが、山口氏が代表を務める自民党支部(兵庫県第十二選挙区支部)の政治資金収支報告書を見ると、
岸田政権で環境大臣に就任した2021年には、就任直後の11月に約31万円、12月にも約29万円など、ガソリン代を年間約275万円も支出していた。
同報告書にはフォレスターの自動車税を支出しており、政治活動に使っている車だと考えられる。
同支部の3年分の政治資金を見ても、2019年は約242万円、コロナの外出自粛が続いた2020年でも約196万円のガソリン代支出が報告されていた。
政治資金の高額ガソリン代問題といえば、かつて山尾志桜里・元代議士の資金管理団体が年間約230万円を計上して「地球5周分」と批判され、後に元公設秘書が不正にガソリン代を請求していたことが明らかになった。
山口議員のガソリン代はそれを上回る、突出した金額なのだ。どんな使い方をしているのか。
政治資金の使途を監視してきた上脇博之・神戸学院大学教授が指摘する。
「政治資金の使途として議員の家族やスタッフが政治活動に使ったガソリン代ならOKですが、プライベートに使っていたら不適切。
政党支部に支払い義務のないお金を使い、それを報告書に記載したということならば、政治資金規正法に照らすと、虚偽記入にあたる可能性が出てきます」
前大臣、「世界の脱炭素」への貢献より、ガソリン業界への貢献度のほうが大きいのは間違いなさそうだ。
※週刊ポスト2023年8月18・25日号掲載・抜粋、編集
‘@山口壮前環境大臣、ガソリン仕様の自転車で行脚?
それでも地球6周は無理だ。
臭いにおいがプンプンする。
岸田総理も自身には今のところ不祥事はないが、周囲から立て続けに不祥事議員が続出している。
まさに。弱り目に祟り目とはこのことだ。