国債、含み損が過去最大の10兆5000億円。
日本銀行は保有する国債の時価評価が帳簿上の評価額を大きく下回り、含み損が過去最大の10兆5000億円となったことを明らかにした。
日銀はこれまで金融緩和策の一環として、長期金利を低く抑えるため大量に国債を購入してきた。
日銀は28日、今年4月から9月の財務諸表などを公表。
日銀が保有する国債の時価は今年9月末時点で576兆3780億円となった。
帳簿上の評価額は586兆8781億円のため、10兆5000億円の含み損が出ていることになり、今年3月末の1571億円から急拡大している。
今年7月、日銀が金融政策決定会合で長期金利の変動幅の上限について、これまでの0.5%から事実上1.0%まで容認することを決めたことなどで、日本の長期金利が上昇したため。
長期金利が上昇すると国債は評価額が下落する仕組みのため、大量に保有している国債の含み損が大きくなる。
日銀は国債を満期まで長期的に保有することを前提にしているため、「財務の健全性が損なわれることはない」としている。
しかし、市場関係者などからは今後、金利がさらに上昇すると、
「日銀の財務や通貨の信頼が国際的に揺らぐリスクを抱えることになる」と指摘。