井上信治科学技術担当相は23日、日本学術会議の梶田隆章会長らと会談。
新会員6人の任命拒否について「総理大臣の権限。総理の方でお考えいただけると思う」と述べ、
会議を所管する担当大臣としては、拘らない考えを示した。
井上大臣は会談の冒頭、「未来志向で学術会議のあり方をお互いに考えていきたい。
年末をめどに検討状況の報告をしてもらいたい」と要請。
梶会長は「学術会議は現在、任命問題を巡って苦慮している。
今後の率直な対話のためにも、この問題の解決が大変重要」と強調し、
任命を拒否した理由の説明と速やかな任命を求めて、
菅義偉首相に提出した要望書を井上大臣にも手渡した。
井上大臣は閣議後会見で、6人が外された内閣府作成の起案文書について、
菅氏が決裁した2日後の9月30日に事務方から報告を受けたと説明。
担当大臣にもかかわらず、井上大臣自身は首相官邸側の動きを把握しておらず、
興味もなかったのだろうか、外された理由を官邸側にたずねたことも「なかった」と説明。
会員任命は首相の権限との説明を繰り返し、菅総理の言いなりであることを認めた。
そのうえで「私は制度的に任命や推薦のあり方を検討していく役割」と述べるにとどめたが、
任命や推薦のあり方を検討した様子はない。