新型コロナのワクチン接種をめぐり、河野規制改革担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、
人口1000人以下の一部の自治体や離島では、来月12日から始まる高齢者への接種に合わせて、
「一般の人にも接種が行われるという通知を出している」と述べた。
また、日本に駐在している、およそ1万4000人の大使館員や家族などについては、
大使館や総領事館がある場所を居住地とみなして接種の対象とする考えを示した。
‘@悪いことではないが、先行する医療従事者のワクチン接種も終わっていない中、
高齢者は来月12日からで、一般の人にもと、相変わらず口先ばかりが先行しているが、
日本は3月22日時点で、接種率は0.34%。
本気で東京五輪を開催したいならば、日本こそ「ワクチンの確保」に心血を注ぐべきだった。
そのための交渉を、政府が迅速に行って来なかったのは重大な問題だ。
多くの国では、首相が製薬会社と交渉して、ワクチン獲得競争を繰り広げていた。
一方、日本は厚生労働省が製薬会社と交渉してきが、交渉はうまく進まなかった。
首相官邸は、2021年1月下旬になって、やっと、河野担当相がファイザーとの直接交渉に乗り出した。
しかし、結果は同じだった。ファイザーは「首相を交渉相手に」と突っぱねた。
一閣僚は相手にしないという強い姿勢を示したが、早く気付くべきだった。
日本のワクチン獲得の遅れは、総理官邸の動きがあまりに遅すぎたということだ。
厚労省と「専門家」の能力のなさ。驚異的なスピードで進むワクチン開発の状況と、
ワクチンの重要性をつかめていなかった。
その前に、新型コロナの恐怖を感じていなかったお粗末さ。
国民の大多数がワクチンを接種し、諸外国の五輪参加者にもワクチンを提供することが、
世界が不安にならないで五輪開催できる道だった。
だが、それを中国から打診された。
日本は、ワクチン接種の開始は、G7で最も遅く、
日本のワクチン接種率は「世界最低レベル」と酷評する識者もいる。
しかし、政府を責めることはできないのかもしれない。
日本では、ワクチン開発には数年かかるとして、
ワクチン接種による新型コロナの早期終結は想定していなかった。
ワクチン開発の第一人者である京大学医科学研究所の河岡義裕教授でさえ、
劇的なスピードで進む世界のワクチン開発に、衝撃を受けた。
政府が設置した、過去の業績を認められた学会の権威者の集まり「専門家会議」の委員が、
新興感染症のパンデミックを計り知れなくても、致し方ないのかもしれない。
残念な話だが、それが今の日本の実情だ。
変異株もそうだが対応が遅い。
本来なら、世界の最先端の研究に取り組む研究者を起用することだ。
しかし、政府には逆に、そういう人たちを排除する動きさえある。
相変わらず日本は何かをあれば隠そうとする。
しかし、感染症に国境も境もない。
世界的なパンデミックには、国際的な協力が必要だし、国家が隠すべきことは何もないはずだ。
日本は欧米などと比べるのではなく、感染を抑えている台湾などを参考にし、
国内であれば、島根県や和歌山県の対応を取り入れるべきだ。