昨年春の「第1波」の際、厚生労働省クラスター対策班の中心となり、
「人との接触の8割削減」を呼びかけた西浦博教授。
1年を超えた新型コロナウイルスとの闘いの中で、
「政治家は覚悟のかけらもなかった」と切って捨てた。
「第1波のとき、厚生労働省のクラスター対策班で仕事をしていたのですが、
そこで分析した結果が、政策的な判断を下す官邸に届くまでに、
厚い壁のようなものが何枚もありました。
科学的な知見を採り入れた政策判断と、官僚制システムがかみ合っていない。
当時の厚労大臣だった加藤勝信さんには毎日のように会って、かなり厳しいことも言わせてもらっていました。
しかし、その後、官邸での会議に専門家の提言が直接出されるわけではないのです。
厚労省内で調整して、ようやく事務次官や医系技官のトップの医務技監が官邸に伝える。
(時間はかかり、内容も変わっている)
昨年3月19日の専門家会議の前には、それこそ怒号が飛び交うような状態でした。
僕は重症者数のシミュレーションをして、このままだと病床が足りなくなるという試算を会議に出したのですが、
厚労省側からは『混乱を招く』と大反対された。
一方で、会議の直前になって、政府側から『こういう別の対策が入ります』と言ってくる。
前日の夜に資料が回覧されるものもあり、専門家の意見を採り入れたり、変えたりできない状態でした」
‘@政府が専門家の意見を聞かないことが良く分かる。
だから、うるさい西浦教授は外された。
それが今の現状につながっている。