「ぎりぎりまで悩んだ」愛媛知事、涙の陳謝。
新型コロナの感染拡大のため、松山市での東京オリンピックの聖火リレーは、
公道での実施が見送られた。
公園内を走った大阪とは異なり、ランナーが走らない初のケースとなった。
松山市内で21日に開かれた、セレモニーでは、
聖火リレーの中止を決めた中村時広・愛媛県知事が、
ランナーに走る機会を与えられなかったことを涙ながらにわびた。
中村知事はあいさつの冒頭から「走るのを楽しみにしていた皆様にその機会を与えることができず、
すみませんっ」と感極まり、涙を流しながら、
「ぎりぎりまで悩んだが、人の命を守ることが最大の使命とリレー中止を決めた」と理解を求めた。
「公道リレーの機会が与えられなかったこと、それを楽しみにしていた市民の皆さんにも、
機会を提供できなかったこと、深くおわび申し上げます」と改めて陳謝し、
「日本で唯一の厳粛な聖火リレーとなり、本当に感動した」とも語った。
松山市内を走る予定だったランナーのスポーツクライミング日本代表の大政涼さん(18)は、
「走ることの中止は残念だったが、セレモニーを開いていただけただけでも本当によかった。
知事も悔しかっただろう。コロナが早くなくなればよいと思った」と、知事の判断を受け止めた。
同市出身で、聖火皿に点火したアテネオリンピック女子マラソン5位入賞の土佐礼子さん(44)も、
「知事が一番残念な気持ちなんじゃないか。本当に責任感が強い知事なので、
(知事の判断を)受け止めている」と、知事をおもんばかった。