医療提供体制が逼迫するなか、新型コロナに感染しても治療を受けられないまま、
誰にも看取られずに自宅で死亡する患者が相次いでいる。
親族からの依頼を受け、そうした部屋で遺品整理や清掃、
消毒・消臭を担うのが特殊清掃業者だ。
近畿地方で孤独死した60代男性の自宅からは、
体温と計測時間を詳細に記録したメモが見つかった。
体調面への不安からか、1日に10回も測定を繰り返していた日も。
日々の体温を詳細に記したメモ書きは、39度を超えたある日を最後に途絶えていた。
最後の記入は「39度4分」
数日前までの几帳面な文字とは違う乱れた筆跡が、男性の身に生じた異変を想像させた。