特殊清掃業者が見た自宅療養の現実。
警察庁によると、全国の警察が4月に扱った変死などによる遺体のうち、
コロナに感染していたのは96人。うち91人が自宅や宿泊施設などで容体が悪化し、死亡していた。
生前に感染が確認されていたのは39人で、死後に判明したのは57人だった。
ただ、関西クリーンサービスの運営会社の亀澤範行社長(40)の体感は、
データとは乖離がある。
昨春からのコロナ下で、関西クリーンサービスには
遺品整理や清掃・消毒の依頼や相談が急増。
昨年5月ごろまでは1カ月に20~35件程度だったが、同12月は141件、
今年3月は211件にも上った。このうち、コロナ感染とおぼしきケースも相当数ある。
亀澤社長が実感を込めて語る。「公表されている数よりずっと多くの人が、
検査すら受けられずにコロナで亡くなっているのではないか。
「本来なら孤独死とは無縁の人だったはず。
医療が逼迫していなければ、助かっていた命なのかもしれない」と唇をかんだ。