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売れぬ五輪グッズ、メーカー悲痛に“かん口令”

「大量のゴミと化す覚悟」



東京オリ・パラの開幕が1か月を切ったが、新型コロナの感染拡大が収束せず、

開催の是非が渦巻く中、公式グッズの売れ行きは厳しい。

「大量に売れ残ってゴミと化すことは覚悟しています」と、業者からは悲痛な声が漏れる。


昭和39年(1964) 東京オリンピック記念貨幣 東京五輪 1000円銀貨 未使用

東京オリ・パラ組織委員会とライセンス契約を結び、公式グッズを製造するメーカーは約90社ある。

メーカーは小売価格の5~7パーセントをロイヤリティー(権利使用料)として、

組織委員会に支払う仕組みで、実際に売れた数ではなく、製造数に応じたロイヤリティーが生じる。

さらに小売価格の2パーセントを、販売促進支援のための経費として支払う。

契約前にあらかじめグッズの製造数の概算を出し、

このくらいのロイヤリティーが支払えると見積ったうえで契約しており、

ロイヤリティーはすでに組織委に支払っている。たとえ五輪が中止になっても1円も返ってこない。

あるメーカーの担当者は、昨年の春ごろ、組織委から連絡を受け、

「グッズの売れ行きに関することは外部に言わないように」という趣旨を口頭で受けたという。

他のメーカーにも同様の「かん口令」が敷かれているという。


東京五輪100円銀貨 昭和39年 未使用

数万点のグッズを準備し他メーカーは、「当初目標の3分の1でも売れてくれれば万々歳だと思う。

ただ、海外からの観光客が見込めず、国内でもこれだけ五輪反対の人が多い中では、

3分の1ですら難しいと思う。

大量の売れ残りが出てゴミになることは覚悟しているが、相当な額の赤字が生じることは確実だ」

と肩を落とす。

グッズを購入した男性の思いは複雑だ。

「選手たちを応援したいので、買いました。ただ、これだけ反対が強い中で、

五輪を応援しているってオープンにはしづらい」と、複雑な胸中を覗かせた。

購入をためらう女性は、

「もし医療従事者の方が見たらどう思うだろうかとて考えてしまいます」

と、医療従事者の方たちの心情を慮った。

主婦の方は、

「五輪やるなら、子どもの運動会もやらせてよって、納得がいかない思いを持っています。

いろんな声を無視して勝手に突き進んでいる感じですし。周りのママ友も反対の人が多いので、

買わないと思います」と、批判的だ。


札幌五輪100円白銅貨 昭和47年 未使用

‘@倒産するメーカーも出てくるのではないか。

それこそ、犯罪と作品は別だと常々述べている人たちも、

グッズと五輪開催は別だと、グッズ購入を応援してはどうか。

メーカーはライセンス契約上、自由な宣伝活動ができないことになっている。

しかし、緊急事態が起こるとは誰も予測していなかった。

組織委は見て見ないふりをしないで、この問題にも真摯に対応すべきだ。

少なくとも、自由な宣伝や最悪値引きなど、組織委は柔軟な対応をメーカーに示すべきだ。