ブルガリアとギリシャから今、大勢の買い物客がトルコに押し寄せている。
原因はトルコの通貨リラの急落だ。
トルコは現在、経済危機に直面しており、インフレ率(物価上昇率)は21%を超えている。
通貨リラは、12月20日には1ドル=8.25リラまで下落し、2021年の年初来60%以上の下落を記録した。
27日にはひとまず1ドル=13.09リラにまで回復したが、
インフレは、食品からガソリンに至るまで、あらゆるものの価格に影響を及ぼしている。
この状況を好機と捉えているのが、近隣諸国の人々だ。
年末年始の休暇に向けて、大勢の人がトルコ北西部のエディルネにある市場や食料品店に押し寄せている。
エディルネのウルス・バザール共同組合の会長であるブラント・レイソグは、
エディルネを訪れる外国人観光客の数は、この数週間で4倍に増えたと語る。
駐車場にはブルガリアの車だらけで、エディルネやイスタンブールのナンバープレートはほとんどない。
「彼らは狂ったように買い物をする。何を買っているのかも分からないまま、同じものを5個、10個と買っていく。
後から売ればいいとか、これを逃したらもう買えないと考えているのだ」と会長は少々呆れ気味で語った。
外国人買い物客はまず両替所に行って安いリラを大量に手に入れ、その後、市場や食料品店に向かう。
彼らはスーツケースが一杯になるまで買い物をして帰っていく。
12月の寒空のなか、安いパンを買うために長い行列に並ぶトルコ国民の姿とは対照的だ。