新型コロナのオミクロン株が猛威をふるい、「第6波」のピークがまだ見通せない。
ここに来て高齢者にも広がりを見せ始め、重症化や死亡につながるケースが増えている。
2020年の「第1波」以降、新型コロナの治療を続ける、
あゆみクリニック(埼玉県春日部市)の藤川万規子院長(61)。
現在、発熱外来でPCR検査を受ける患者は1日100~120人。
そのうち陽性者は1日30~40人。
陽性者の約2~3割はワクチンを打っていない。
7~8割の人がブレークスルー感染(ワクチン2回接種も感染)。
「ワクチンを2回打った後のブレークスルー感染の場合、熱は37~38度台だが、
未接種だと39~40度に上がり、症状が強く出る印象」だという。
抗原は陰性だが、PCRが陽性という患者が陽性者全体の約半分を占める。
PCRの結果が出るまでに2~3日かかると、その間に周りに(感染を)広げてしまう。
「第6波でも、打っている人の方が症状が軽く済んでいます。子どもたちも打つべきでしょう。
子どもたちの感染を抑えないと、学校生活、社会生活が成り立たなくなります」と訴える。
「1、2回目のワクチンでは、ファイザー社製0・3ミリリットルに対し、
モデルナ社製0・5ミリで接種量の違いがありましたが、3回目のモデルナは0・25ミリと半量になる分、
副反応もファイザーと同等になると考えられます。
高齢者には1、2回目がファイザーの人が多いと思いますが、3回目をモデルナにしても効果は得られます」
接種後にまれに見られる心筋炎や心膜炎は、若い男性に起きやすく、
その報告頻度はモデルナの方が多いとされています。
子、孫世代のことも考え、みんなが安心して早くワクチンを打てるように、
高齢者はファイザーを若い世代に回してほしいですね」と話す。
「今は下痢や胃腸炎もはやっています。発熱症状があり、コロナが陰性でも、
肺炎や腹膜炎など別の大きな病気にかかっていた人もいます。
コロナが陰性でも安心はできません」と、警戒感を募らせた。