日露交渉停滞 北海道の漁業者「祈るだけ」
日本の200カイリ内に出漁するサケ・マス流し網漁が10日に解禁される予定だったが、
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で日露政府間の漁業交渉が開かれず、
漁業者が出漁できない状況にある。
岸壁にサケ・マス漁船の姿はなく、漁港の外れで陸にあげられたままだ。
水産庁の神谷(こうや)崇長官は3月7日の参院予算委員会で、
「交渉を実施すべく調整する」と答弁したが、ロシア側から前向きの回答は「ない」とした。
サケ・マス漁はここ数年、不漁が続いている。昨年操業した小型船も満足な漁獲がなかった。
小型船は最盛期には172隻を数えたが、今年は昨年より12隻少ない19隻が出漁を予定する。
太平洋小型さけ・ます漁業協会(札幌市)の菅原豊専務は、
「情報がなく、やきもきしているが、とにかく早期に交渉してほしい。
漁期を逃せば魚はいなくなってしまう」と焦る。