国連のグテーレス事務総長は26日、
ロシアによる軍事侵攻が始まってから初めて、ロシアの首都モスクワを訪れ、プーチンと会談。
クレムリンの長机でグテーレス事務総長を迎えたプーチン。
会談の一部には側近も参加していたが、1対1の話し合いも行われたと副報道官は述べた。
軍事侵攻がウクライナ東部のロシア系住民を保護するためだと改めて正当性を強調したうえで、
首都キーウ近郊のブチャで多くの市民が殺害されて見つかったことについても、
グテーレス事務総長に、それは誤解だ、ロシア軍は関与しておらずウクライナ側による挑発だと主張。
そのうえで東部のマリウポリの製鉄所で市民が取り残されていると見られることについて、
「ウクライナ軍は市民を盾にしたテロリストと同じ行動をとっている。
ロシア側が設けた人道回廊は機能している」と述べ、ウクライナ側を非難。
会談のあと「市民の避難に向けて国連と赤十字国際委員会が関与することで原則的に合意した」と発表。
今後の具体的な協議は、国連の人道問題調整事務所とロシア国防省の間で行われるとした。
グテーレス事務総長はこのあとウクライナへ移り、28日にゼレンスキー大統領と会談。
6月までに600万人への食糧援助を実施する考えも明らかにした。
グテーレス事務総長は、「私は大統領、そして、ウクライナの人々に誓うためにここにいます。
私たちは、あきらめません」と、力強く訴えた。
グテーレス事務総長は、ロシアに破壊された街を視察。
「私の家族だったらと想像してみました。孫娘がパニックのなか、逃げ走る姿を想像してみました。
いつも、犠牲になるのは、一般市民です。最悪の犯罪は、戦争だということを忘れてはいけない」と語った。
固い握手で終わったトップ会談終了直後、キーウ中心部に5発のミサイル攻撃が。
ウクライナのポドリャク大統領府顧問は、SNSに、
「きのうはクレムリンの長いテーブルに向かって座っていたけど、きょうは彼の頭の上で爆発。
モスクワからのはがきだろうか?」と投稿。
キーウのクリチコ市長らによると、中心部の建物に2発撃ち込まれて3人が負傷。住宅も被害に遭った。
事務総長が滞在しているホテルの近くにもミサイルが撃ちこまれたとの情報も。