日本周辺で、中国軍やロシア軍の動きが活発化している。
5月以降、両国の軍用機や艦船が相次いで日本領空・領海に接近するなどして、
自衛隊がスクランブルなどで対応している。
中・ロ両軍が「異常行動」を増やす狙いは何か。
中国海軍は5月3~21日、沖縄南方の太平洋上で、
空母「遼寧」から300回を超える艦載機や艦載ヘリコプターの発着艦を行った。
この異常行動を受け、防衛省は発着艦時の写真を連日公表。
中国国防省の呉謙報道官は不快感を示した。
同月20日、台湾の防空識別圏(ADIZ)に中国軍の「J16戦闘機」や「H6爆撃機」など計14機が進入。
台湾を挟み込むような動きを見せている。
5月24日、両軍の爆撃機計6機が日本列島に沿うかたちで編隊飛行した。
同日には「QUAD(クアッド)」首脳会合が日本で開催されていた。
防衛省が7日に発表した「2022年度における緊急発進実施状況」によると、
5月のスクランブルは119回で、前年同月の26回よりも4・5倍程度に急増。
中国によるスクランブルが93回、ロシアは26回で、日本の南西に集中している。
岸田総理は10日夜、シンガポールでのアジア安全保障会議で基調講演で、
「アジアに迫り来る挑戦・危機に、これまで以上に積極的に取り組む」と訴えた。
中・ロによる日本への圧力は今後も増えることはあっても減ることはない。