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​50cmの距離で話すとマスク装着でも高リスク。

オミクロン株を含めた富岳の飛沫感染分析。

大河原 克行



理化学研究所は、スーパーコンピュータ「富岳」を用いた新型コロナウイルス飛沫感染における,

新たなシミュレーションの成果について発表。

感染力が高いオミクロン株についての検証を初めて行なった。

今回の結果から、感染者がマスクをしていても、50cm以内では感染リスクが飛躍的に高まることを示したほか、

「オミクロン株やデルタ株では、これまでの2mというソーシャルディスタンスを見直す必要もある」と指摘。



「不織布では小さな飛沫(エアロゾル)のブロック効果は限定的であり、隣同士でしゃべるようなシーンでは、

マスクをしていても安心せずに、距離を取り、接触時間を短くするなどの対策を行なうことが大切だ」と呼びかけた。



最近では接触時間を意識する人が減っているようだが、

「長時間の接触は感染リスクを高めることにつながることにも注意してほしい」とした。

50cmという距離は、イベント会場などで肩が触れ合うぐらいに座り、隣同士で会話をしたさいに発生する。

学校における状況についても触れ、授業中の感染リスクは低いと考えられるが、

15分以内の休み時間に行なわれる児童生徒同士の対話の方が、感染リスクが高いと言える。

飲食店での飛沫感染リスクでは、16人程度が入る小型店舗を想定。

室内に1人の感染者が滞在し、滞在時間は1時間で、感染者が30分間、大声で話していることを想定。

全員マスクは装着していない環境としている。

1人感染者がいれば、新規感染者数が1人発生するぐらいにまで感染確率があるという。

機械式換気装置だけでは、テーブルに飛沫が残り、感染者の近くに座った人の感染リスクが高まり、

感染確率は最大で100%になることもあるという。

一方で、機械式換気装置のほかに、キッチンの排気ダクト、エアコン、

ドアの隙間による給排気を行なっている場合には、感染確率の範囲は広がるものの、

飛沫が薄まり、感染リスクは減少するという結果が出ている。



「感染対策は、パーティションなどを使った局所対策よりも、店舗全体で対策を行なうことを考えるのが大切である。

空気をかくはんさせることで、リスクを2~3割程度下げることができる。

エアコンの風による風上、風下の関係によっては、局所的にリスクが高まることもあるが、

上下方向に空気をかくはんすることにより、感染者のエアロゾルを薄めることで、

店舗全体の感染リスクが下がる」とした。

カラオケボックスでは、9人定員のカラオケボックスを想定し、

室内に1人の感染者が滞在した際の在室者の感染確率を検証した。

滞在時間は1時間で、全員マスクは装着していないという環境だ。

これによると、9人全員が1時間、大声で歌い続けた場合がワーストケースとなり、

新規感染者数は2.8人になるという。「この状態は何としてでも避けたい」とした。

また、排気ダクトの近くに座っている人には、飛沫が集まってくるために感染確率が高いこと、

エアコンの正面にいる人には空気が拡散され、感染確率が最も低いという結果も出た。

その一方で、エアコンの正面にいる人が感染者だった場合には、

部屋全体の感染リスクが最も高まることも分かった。

いままで以上に接触時間を短くする、距離を取るといったことが大切である」とした。