「これは新型コロナウイルスの正しい感染対策がとれるかどうかという問題です。
このままでは無用な感染拡大が続きかねません」
東北大学大学院理学研究科の本堂毅准教授は憤る。
1日、本堂准教授を筆頭に感染症や物理学などを専門とする医師や科学者8人が、
国立感染症研究所(感染研)へ対して、公開質問状を出した。
感染研は、所長の脇田隆字氏が、厚生労働省の新型コロナ感染症対策アドバイザリーボードの座長を務め、
国の感染対策の重要な役割を担っている。
本堂准教授らが問題視している報告書は、感染研が1月に公表したオミクロン株に対する第6報。
その報告書については政府の分科会でも意見が割れた。
“まだこんなことを書いているのか”と怒る専門家がいた。
報告書には、《現段階でエアロゾル感染を疑う事例の頻度の明らかな増加は確認されず、
従来通り感染経路は主に飛沫感染と、接触感染と考えられた》との記載がある。
新型コロナの感染経路のメインをいまだに“飛沫感染と接触感染”と捉えている。
WHOの最新の見解では、主たる感染経路は“エアロゾル感染”、次いで飛沫感染という見方をしている。
接触感染は『起こるかも』という程度の認識だ。
つまり、感染研は感染経路について、世界と異なる見解を出していると、本堂准教授は訴える。追及。
消毒は接触感染の対策。飲食店で客が席を立った後に椅子まで消毒する姿を見ることがありるが、
WHOすら“まれ”としている接触感染のためにそこまでやる必要があるのか。
その一方で、ウレタンや布のマスクをしている人がいまだにいる。
エアロゾル感染対策するなら、すきまなく装着できる高性能な不織布マスクが必要。
そして、換気をすることが需要。
多額な費用をかけて、アベノマスクを配っている場合ではない。
公開質問状に名を連ねる愛知県立大学看護学部の清水宣明教授によると、
「飲食店やオフィスなどでパーティションを使っていることがありますよね。
これで飛沫はある程度は防げるかもしれませんが、部屋全体の換気ができていないと、
ウイルスが含まれる空気がよどむ可能性があり、かえって危険で、クラスターになりやすくなってしまいます」
と話す。
公開質問状が出された7日後の8日、本堂准教授のもとに感染研から回答が届いた。
8日午前に催促をしてやっと届いた返事だった。
だが内容は“ゼロ回答”といっていいレベルのものだったという。
‘@尾身会長は、エアロゾルの中で、比較的粒子が大きいものを「マイクロ飛沫」と呼び、
「(エアロゾルと比べて)短距離で起こる感染」であるため、
「実は三密のところで起きて、いわゆる飛沫が飛ぶということで起こることは間違いない」と、
2020年12月9日の衆院厚労委員会で説明。
もし、感染の主体がエアロゾルによる空気感染で、どこに感染者がいるかわからないとなれば、
濃厚接触者だけを検査しても無駄で、幅広くPCR検査を実施しなければなくなる。
そうなれば、尾身会長らが作り上げてきたシナリオが崩れてしまう。
また、マイクロ飛沫であれば、換気はそんなに重要ではないことになり矛盾が生じている。
ただその後、尾身会長は2021年3月112日の厚生労働委員会で、
「ここにきてマイクロ飛沫感染が世界的に見ても重要視されてきている。
食事の場においても換気がいままで以上に重要になっている」と述べ、
「二酸化炭素濃度を定期的にモニターして1000ppmにならないよう、
常に換気を考えるような、食の場における文化」を呼びかけた。
尾身会長は、相変わらずマイクロ飛沫という言葉に拘っているが、換気の重要性は説いている。
素人にしてみれば、それでいいだろうと思うが、専門家は、エアロゾルと言う言葉を求めている。
ハッキリと使用して欲しいのだろう。
4日に開かれた感染症対策分科会で尾身会長は、
「飛沫やエアロゾルをより重視した対策や、様々な場面、場所で感染リスクを避けることが重要。
今回の流行で特徴的なのは、介護されている人、循環器の疾患を持っている人、脳血管疾患。
こういう人が感染を契機にガタッと増悪している。そういうことで入院している人が多いので、
こういう高齢者をみんなで守ることが重要だ」と、述べたようだが.
感染症の専門家の間では、エアロゾルと空気感染は違うようだ。
空気感染は電車に乗ったら一車両が感染する可能性がある。
エアロゾルは、感染者の周辺数メートル。
空気感染なら2類は外せない。
わたしは、アルコール消毒はあまり意味がないと指摘してきた。
学校などでも未だアルコールで先生たちがテーブルを一つ一つ拭いている。
それでなくても繁忙なのに、無駄なことをいつまでやらせるのだ。
エアロゾルもそうだが、当初より危惧していた。
中国でそう言う報告がなされた。
しかし、日本の多くの専門家は「そこまで心配する必要ない」と無視した。
わたしが日本に専門家はいないという理由の一つだ。
中国では発生当時に多くの事例が報告された。そのほとんどは的をえていた。
中国などを非難するだけで軽んじたあげ句、日本は後手後手の対応になっている。