自衛隊内でのハラスメントの実態調査で異例の特別防衛監察。
自衛隊の元隊員の女性が、セクハラの被害にあったと訴えていることなどを受けて、
防衛省は、自衛隊内でのハラスメントの実態を調べるため特別防衛監察を行うことを決めた。
特別防衛監察が行われるのは、5年前の南スーダンPKOの日報問題以来で極めて異例。
ことし6月まで陸上自衛隊の部隊に勤務していた五ノ井里奈さん(22)は、
在職中にセクハラの被害を受けたと訴えて、インターネットなどで呼びかけたところ、
現役の隊員など146人からハラスメントを受けたことがあるという回答が寄せられた。
五ノ井さんは8月、防衛省に実態の把握などを要望。
一方で、五ノ井さんを脅迫する内容も含まれていた。
「自衛官にはハラスメントがない。嘘の情報を流すのはやめてください。止めないなら、殺すぞ」
などの心無い言葉が書かれていた。
五ノ井さんは
「殺害予告を見たときには本当に怖かったです。今日もここ(防衛省)に来るまでに、
後ろから誰かに刺されるんじゃないかと思い、周囲を警戒していました」と恐怖を感じている。
五ノ井さんはSNSのコメントやDMでも誹謗中傷を受けているという。
「誹謗中傷を受けて亡くなる人もいます。受け手の気持ちを考えてほしいです」と訴えた。
自衛官や事務官から寄せられるパワハラやセクハラなどに関する相談件数は年々増加。
昨年度は2300件を超えた。
相談件数は
▽2017年度が326件
▽2018年度が625件
▽2019年度が1074件
▽2020年度が1468件
▽2021年度は2311件と4年で7倍余りに増加。
いずれの年度も、相談の9割前後はパワハラに関する内容が占めているという。
防衛省の特別防衛監察について
陸上自衛隊トップの吉田圭秀陸上幕僚長はは6日の記者会見で、
「極めて深刻に受け止めている。自浄作用が問われている」と述べたが、
今まで何もしてこなかったから、年々増加した。
浜田防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で「防衛省・自衛隊では長くハラスメントの防止対策に取り組んできたが、
相談件数は増加の一途をたどるなど、引き続き重大な問題となっている。
ハラスメントは基本的人権の侵害であり、あってはならないことだ」と述べた。
対策に真剣に取り組んでたら年々増加はしない。
自衛隊という特殊な環境ではあるが改善されなければ、今の時代隊員も増えない。
そして6日、関係幹部を集めてすべての自衛隊を対象とした特別防衛監察の実施や、
対策を抜本的に見直すための有識者会議の設置などを指示したことを明らかにした。