環境保護団体グリーンピースが9月に発表した世界の自動車大手10社の、
脱炭素への取り組みを評価した報告書で、
トヨタ自動車、日産自動車、ホンダの日本3社がワースト3となった。
トヨタは2年連続最下位。
(お手上げ?)
執筆メンバーの1人で気候変動・エネルギー担当のダニエル・リードさん(32)に聞いた。(特別報道部・岸本拓也)
結論から言うと、どのメーカーの取り組みも足りていない。
ゼネラル・モーターズ(GM)が2年連続トップだが、他社より少し良い程度。
さらなる取り組みが必要だ」と指摘。
GM(1)は100点満点中38.5、トヨタ(10)は10.0、本田(6)は12.8、日産(5)は13.4。( )は前年順位。
2年連続トップとなったGMは2021年のEV販売が50万台を超え、
総販売台数に占める比率が8.18%と多かったことや、原材料を脱炭素化する計画などが評価された。
「ホンダは内燃機関を40年までに終了すると表明し、昨年は高く評価した。
しかしその後、具体的な進行がなかった」と説明。
日産については「EVの先駆者だったが、なかなか販売比率が伸びていない」。
2年連続最下位のトヨタは、EV・FCVの販売比率が0.18%と最低だったことが響いた。
トヨタのEV販売実績は明確に弱い。内燃機関の廃止計画がないことも後ろ向きな印象を与える」と評価。
報告書に対し、トヨタは「できる限りすぐにCO2を減らさなければならない」としつつ、
「1つの選択肢だけですべての人を幸せにするのは難しい。EVをはじめ、多くの選択肢を提供する」とコメント。
リード氏は「技術の多様性を持つという考え自体は否定しないが、現時点で選べる道は限られる」とした上で、
「昨年の世界のEV販売台数は前年から倍増した。EVシフトは加速しており、日本メーカーが取り残されないか心配している」と語った。
東京新聞