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英誌が加速する「日本車離れ」を危惧。

「まるで鎖国」…トヨタや日産の「EV出遅れ」が日本経済に大打撃を与える。

「Economist」(英)

その前に自国を心配しろとの声が。‘@



かつて、世界のエコカー市場をけん引していた日本の自動車メーカーが、過熱するEV開発競争では大きく後れを取っている。

日本の自動車部品メーカー「ジヤトコ」の富士第2工場。

ジヤトコでは数十年にわたり、「完璧な車」が造られてきた。ジヤトコのみならず、日本の自動車産業全体がそうだ。

「必要なものを、必要なときに、必要な量だけ」供給することで効率化を図る「ジャストインタイム生産方式」の先駆者で、
ハイブリッドカー市場をけん引してきた日本は、自動車ビジネスの最先端を走ってきた。

だが、EVへのシフトという大波が日本を悩ませている。

「EVへの移行が大きな変化を呼ぶのは間違いありません。我が社も抜本的に変わらなければならないでしょう」と、ジヤトコの佐藤朋由CEO



充電式のEVやプラグインハイブリッドカー(PHEV)市場の成長は目覚ましいが、いまのところ日本の自動車メーカーはその競争に乗り遅れている。

世界の自動車総販売数に占めるEVとPHEVの割合は、2019年には2.6%だったが、2022年には13%に上昇。

中国など一部の市場ではEVのシェアは20%ほどだが、その一方、日本では2%に過ぎない。

EV市場をけん引するのは新興の米テスラや中国のBYD、既存の大手では独フォルクスワーゲンで、日本企業の存在感は薄い。

10年以上前に世界初のEVを発売したのは、日産と三菱だった。にもかかわらず、世界のEV販売台数のトップ20に入る日本企業はひとつもない。

世界最大の自動車メーカーであるトヨタですら、1050万台の総販売台数のうちEVは2万4000台に過ぎない(ちなみにテスラは130万台だ)。

さらに2022年には、トヨタ初の完全電気自動車「bZ4X」がリコールに追い込まれた。タイヤが脱落する恐れがあるという欠陥が発覚。

この一件によるトヨタのEV生産の失速が、日本の自動車産業全体の失速につながるのではないかと専門家は懸念する。

自動車産業の動向を、半導体や家電と比較する専門家もいる。

どちらの市場もかつては日本企業が独占していたが、国外で発生した重要なトレンドに乗り遅れた結果、最終的には抜け目ない競合他社にその地位を奪われた。

日本の輸出の20%近く、雇用の8%ほどを占める自動車産業が同じように衰退すれば、日本社会と経済に深刻な影響を及ぼすだろう。

日本の自動車メーカーは、何とか世界のEV競争に追いつこうとアクセルを踏んでいる。

トヨタの新社長には佐藤恒治が就任したが、この人事にはEV事業へのてこ入れの意味もあった。

2023年4月に開かれた記者会見で、佐藤ら新経営陣は2026年までに10モデルのEVを新たに発売し、

年間のEV販売台数を150万台に伸ばす計画を発表。「いますぐできる電動化を徹底的にやっていく」と佐藤は述べた。

ホンダも2030年までに30モデルのEVを投入する計画を発表し、2022年にはソニーとの合弁会社ソニー・ホンダモビリティ」を立ち上げた。

同社は4月におこなわれた組織再編の目的を「電動化のさらなる加速」とうたう。

日産は2030年までに19の新型EVモデルを発売すると発表。やはり電動化を同社の戦略の中心に据えている。



‘@トヨタ自動車は10日、2024年3月期の連結営業利益(国際会計基準)が前年比10.1%増の3兆円になる見通しと発表。

達成すれば日本企業として初めて3兆円台に乗せ、2年ぶりに最高益を更新する。

初の決算説明会に臨んだ佐藤社長。営業収益と営業利益で過去最高という強気の見通しを示した今期の業績予想について、達成に強い自信を示した。